「せつない」容疑者Xの献身 yumekoさんの映画レビュー(感想・評価)
せつない
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劇場公開の頃、福山雅治さん、堤真一さんの舞台挨拶付きで鑑賞。それ以来15年近く一度も観ていなかった。
その当時、堤真一さんの演技と切ないストーリーに涙したのを覚えていたが、2度目の今回も同じ感想。
細かいところは忘れていたので、また楽しめた。
最後には、まさかの展開。
ストーリーはとても良くできているし、堤真一さんの演技が素晴らしい!
天才で真面目で、暗い、高校の数学の教師の石神。
その天才の能力を、違うところで活かせたら…。
そして、後半、本当にストーカーになったのかと思わせる石の気持ち悪さを醸し出す、堤さんの演技はすごかった。
すべて石神の計算のとおりにストーリーは流れていく。そこを昔からの友人、湯川が加わることで、少しづつ真実が明らかになる。
愛を知らなかった石神に訪れた一筋の光。
優しくて温かい。絶望から救ってくれたその光を、もう諦めようとしていた自分の人生をかけて守りたかった。
しかし、石神は、ホームレスを殺めてはいけなかった。同じ命なのに…。
もう少しで、すべて石神の計算とおりになるはずだった。花岡親子に幸せになってほしかった石神の計画。自分を犠牲にしても、自分の幸せは望めなくても、愛した人たちを、独りよがりの愛だけれど、その愛を守りたかった。
最後の花岡との再会で泣き崩れるシーンは、とても苦しいものだった。湯川の悔しさも…。
ほんの少しのことで、人生は思いもよらない方向へ行くことがある。正義とは何なのか?
石神の想いが、ただただ、せつないストーリーだった。
福山雅治の歌「最愛」KOH+が流れるが、この歌詞が映画にぴったりで、最後にしみじみと感じるものがあった。
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