劇場公開日 2008年7月19日

「だって元気な男の子と健気な女の子が頑張る話って悪くないじゃあありませんか!」崖の上のポニョ 流山の小地蔵さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0だって元気な男の子と健気な女の子が頑張る話って悪くないじゃあありませんか!

2008年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ポニョや主人公の男の子の設定が5歳にしているなど、ターゲットをファミリーに絞り込んで、よりファンタジックな映像になっていました。とにかくポニョのキャラと声はかわいいの一言に尽きます。これならお子さんは大喜びでしょう。
 懐かしい感じの絵柄だなぁと思ったら、CGは一切使っていないとのこと。

 監督自身が「人魚姫」と形容したストーリーですが、もの凄く元気いっぱいの人魚姫でした。
 トトロをはじめ、今まで森と空の話が多かった宮崎作品ですが、初めて海を舞台にすることで、ファンタジックさはより一層際だった映像を見せてくれました。
 特にポニョが人間の女の子になるところでは、作り手の想像力の豊かさに舌を巻きましたね。よくまぁこんな発想が次から次へ思いつくものだとつくづく感心しました。
 ファンタジックさというか売れ線を意識したのか、今までのジブリらしさは影を潜めています。宮崎監督のベースにははっきりしたアミニズムがあって、自然をないがしろにした人間は自然から祟られるという主張が色濃く表されて、作品のスパイスになっていました。しかし、今回はオブラートに包んでしまったようです。
 ポニョがトロール船に追いかけられるとき、海底のゴミやヘドロが描かれるなどチラリとは触れられます。
 けれども、なぜ突然水位が上がって街中が水没したのか、ほとんどネタバレしないで終わってしまいました。
 宮崎作品らしい世界観や主張をオブラートに包んだまま、ポニョかわいかったねで終わらせているところでは、これまでのファンから酷評されることでしょう。
 でも、そういううるさ型の宮崎ファンでなければ、大橋のぞみちゃんかわいらしい歌声とともにポニョのかわいい仕草に癒され、満喫できますよ(#^.^#)

流山の小地蔵