「ミステリじゃねえよ、阿部寛だよ。」チーム・バチスタの栄光 枢軸さんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリじゃねえよ、阿部寛だよ。
原作は読んでいません。映画として純粋に楽しめました。
医療という難しい分野を題材にしていますが、
ストーリー自体は至って単純明快でわかりやすく
飽きることなく見入る事ができました。
医療分野の作品にアレルギーがある方でも
楽しめる映画だと思います。
ただ、ミステリとしては見れないと思いますよ。
尺的な問題なのか、謎への伏線とか人物同士の関連性とか軽薄過ぎる。
専門的な医療の知識がなければトリックさえも
「え、そういうものなの?」で終わってしまう。
このミス大賞に選ばれた原作だけに、残念。
それからバチスタチームの凄さの見せ方がいまひとつ。
術中のどこをとっても彼らの何が凄いのかがわからない。
だから患者が術中に不可解に死ぬ事、この映画の核となる謎について
「なんでよ?」というより「そういうもんじゃない?」になってしまう。
やはり光るのは阿部寛さんの怪演でしょう(笑)
ロジカルモンスターの異名を持つ厚生労働省の役人を
図々しく嫌味たっぷりに演じきっています。
トリックのあの人に見えなくもないですが・・・(笑)
あ、あと山口良一さん!実はかなりの名演(?)です!
この方が居たからこそ黒幕に対する私たち観る側の感情がより鮮明になりますね。
中盤まで「術中の不運な死」と「殺人事件」の境界が何となく曖昧なだけに、
彼の登場で一気に映画が加速していきます。犯人コノヤロー的な心境になれる!(笑)
難しいものを観よう!謎を解こう!と力まずに
肩の力を抜いて視聴することをお勧めします。
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