「普遍的な映画 見るべき」最高の人生の見つけ方(2007) サマソさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的な映画 見るべき
自分はこっちよりの職業なのでこの映画に非常に共感できる。
悪性腫瘍の方は、悪性腫瘍ということよりも
長い入院、および長い看病によってより病人になる。
家族の看病も経験者しか分からない。
一番映画の流れでひっかかるのが
なぜカーターは夜逃げ同様に旅に出たか、ということ。
妻に納得してもらってから行ったほうがよかっただろうに。
でもフランスで風呂に入っているとき
「手をつなぐ感じが分からない」と言った。
つまりもう妻に恋愛感情を抱くことを始め、
「途中から自分のための人生ではなかった」
ということを、心の中に、小さなマグマのように抱えて
辛抱強く我慢して押さえつけていたのを
カーターは知っていたのだ。だから、旅に出る決意をする。
また他の方の批評に「金持ちだからできること」とあるが、
映画だから派手にしたのであって、これは別に日本縦断でもいい。
刺青だって南アルプス制覇だって本質的には変わらない。
家族のためにずっと我慢してきたことを最後にやろう、
ということがカーターの目的なのだ。
別の見方をすると、勝手に出て行っても
戻った時に温かく家族に迎えられる様は、
いかにカーターが40年以上も自分のことをあきらめて
家族に愛を注いでいたかということの結果である。
最後の3つのリストを埋める伏線は胸のすく思いだった。
しかしあの秘書・・・
彼だけはお金と人の心の機微を両方とも理解してるんだな・・・
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