「大胆な試みを見せる」ジェシー・ジェームズの暗殺 The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
大胆な試みを見せる
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まず、派手な見せ場を排して「ジェシー・ジェイムズの暗殺」に題材を絞り、リアルな再現劇のみならず深い心理劇に仕立て上げたドミニク監督の剛胆さは大したもの。
カリスマ性を残しつつパラノイアの気を見せるかなりリアルなジェシーを演じたブラッド・ピットの演技がいい。この映画での彼はベルリン受賞ですら過小評価だ。また、そんなジェシーの死の願望に気づけない愚かなボブ・フォードを演じたケイシー・アフレックも評判通りの素晴らしい演技。
穀物、汽車の煙、平原、氷上を美しく捉え酔わせるロジャー・ディーキンズの撮影も見物。フレームのぼかしが利いている。美術もいい。
残念なのはアレコレと説明しすぎのナレーション。そんなもの要らないくらい、この映画の映像と演技は雄弁だ。なぜナレーションが必要だったのか。公開が延びに延びたことと無縁じゃないだろう。たぶん。
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