劇場公開日 2008年1月12日

「英雄と、英雄を暗殺した者の末路」ジェシー・ジェームズの暗殺 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5英雄と、英雄を暗殺した者の末路

2021年9月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 17人も殺し、列車強盗を25件も犯したジェシー・ジェームズは懸賞金がかかるほどの大悪党であるはずなのに、「ジェシー・ジェームズ物語」という書も出版されるほど有名人。彼に憧れて列車強盗団に入ったボブ・フォードだったが・・・という物語。2月13日はジェシー・ジェシー・ジェームズが世界で初めて銀行強盗を成功させたために「銀行強盗の日」という記念日になっているほどだ。

 強盗団はかなり親族で占められていて、新しい仲間も加わっていくと、不要な人物は殺害されるという恐ろしさ。途中加入のフォード兄弟(サム・ロックウェルとケイシー・アフレック)もビビる表情がなんとも言えないくらい素晴らしい。憧れと恐怖、そして裏切る行為に至る困惑気味の表情。どちらかというと、サム・ロックウェルにも助演男優賞を授けたい気分になる。

 メンバーから外されたこと、仲間だったウッド(ジェレミー・レナー)を殺してしまったことが運命を決定づけた。ボブにとってもジェシーは英雄。義賊としてのエピソードは描かれてなかったが、やっちまった後ろめたさがそれを表現していたように思う。そして懸賞金目当てのために警察との取引。もう後戻りはできないが、一緒に暮らすうちに殺される恐怖に怯える・・・

 終盤は蛇足のようにも思えたけど、両者の隆盛と衰退が絶妙なまでに描かれる。本当に恐怖心だけで暗殺したのか?殺すことで英雄になれると思ったのか?兄のチャーリーの末路も考えさせられるし、一攫千金なんて虚しいだけだとも訴えているような・・・まぁ、個人的にはバーで冷やかしの歌を歌ってるほうが気楽でいいわぁ。

kossy