「疑心暗鬼 vs 名誉欲」ジェシー・ジェームズの暗殺 everglazeさんの映画レビュー(感想・評価)
疑心暗鬼 vs 名誉欲
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Jesse James一味とその時代を最も忠実に描写しているらしい作品。
原題も長ければ本編も長いけれど(^_^;)、僅かな感情の変化を丁寧にすくいながら小説を読んでいるような気分でした。
良い時はカリスマ性があって慕われていたのでしょうが、これを観る限り、Jesseは当時の大衆が思い描いていた英雄とは程遠い、保身の為なら仲間を騙して射殺することも厭わない、パラノイア的犯罪者へと変化していきます。疑心暗鬼に陥って鋭い眼光を放ち、隙もなければ何を仕出かすかも分からない凶暴なJesseを、仲間は腫れ物を触るように扱います。賞金のために一味のリーダーたるJesseを殺したということで、Robertが卑怯者扱いになってしまったのでしょう。しかし実際の所、Jesseに憧れ続けたRobertが言うように、共通点の多い二人は、誰よりも先を読み、抜け目なく、やっていることがよく似ています。違いはその目的。Jesseは逮捕や命を狙われることを恐れ、Robertは名を挙げることに執着していました。
子供の頃から自分に憧れていた若者が、自分を裏切り、銃口を向けた時…、Jesseの眼からは一瞬光が消えたように見えました。
現代の常識で鑑賞していると、Robertへの世論に違和感はあります。
Robertが何故Dickの味方をしたのか、いつ警察に話を持ちかける算段をして覚悟を決めたのかは分かりにくかったです。
Jesseの遺体はP. T. Barnumに売られるかも知れなかったと(^_^;)。
役者がみんな大変良かったです。
言うほどJesseは瞬き多くなかったけど(^^)。
襲う列車が乗り入れる時など、映像も極めて美しいです。
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