「全く新しい映像世界!!」スピード・レーサー Kobyさんの映画レビュー(感想・評価)
全く新しい映像世界!!
2008/07/11
各国で予想をはるかに下回る不作となってしまっている本作。
そんな悪評を聞いていながらも、自分としてはどうしても『映像』が気になり行ってきました。
で、率直な感想はと言うと・・
当初の不安、予想に反して意外と良かった!
確かにストーリーは単純だし、なんの広がりもなく最後もめでたしめでたしに一直線で終わってしまう。
それなのに冒頭部分では展開が早いので支離滅裂な感じで、少し難解。。
『映画』として考えれば確かに大した作品ではなかったと思います。
それでもちょいちょい笑えるとこも盛り込まれてるし、何よりも全てを圧倒してくれる『新しい映像世界』があるので本作はしっかりと成立できているんだと思う。
だけど、その『新しい映像世界』が一つの弱点でもある。
その新しい映像を理解できない人には出だしのシーンで『!!!???』となってしまい、酷い場合には嫌悪感を感じるほどだと思う。
今回の本作は実写化とは言え、コンセプトとしては実写とアニメの中間を狙った世界観だったらしい。
なので、とびっきりのアメリカンポップアートに包まれた世界に違和感バリバリで合成されている実写人物の画を理解できない人にはハッキリ言って向かない作品だと思う。
しかし、こういった世界観になったのもマトリックスを作ったウォシャウスキー兄弟の狙いであり、「今まで誰も想像さえしなかったような異次元の視覚空間」を作り出すことを目指したらしいので、そういった面では大成功だったのかなぁとも思う。
まぁ、如何せん「誰も想像さえしなかったような世界」なので理解に苦しむ人がいるんだけど・・・苦笑。
でも、個人的にはこの作品のこの映像から新たな映画、またはCGの可能性というものを感じたので非常に嬉しく思いました。
これからこの作品のような「新しい世界」というのがどんどん作られていくと考えるとワクワクしますよね。
そういった面ではドラゴンボールの実写化も期待できるのかもしれません。
何事も先駆者たちは誰からも評価されず失敗している。
初めて3DCGを長編映画に使用したディズニーの『トロン』だってそう。
全く人気は出なかったが後世にはこうやって語り告げられている。
本作もそういった位置づけとなった作品だと個人的には思う。
『映画』としてではなく『新しい映像世界』を観てみたいと思う方のみ、1000円ちょっとのお金を支払って是非大きなスクリーンで本作を観にいってみてください。
2008/07/11