劇場公開日 2009年9月11日

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「ファンが「待ってました」と手を叩くような映画にしてほしかった」ウルヴァリン:X-MEN ZERO マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ファンが「待ってました」と手を叩くような映画にしてほしかった

2012年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興味はあったが劇場に足を運ばなかった作品の1本。
「X-MEN」シリーズで絶大な人気があるキャラクターのウルヴァリンにスポットを当てたスピンオフ作品だ。

ウルヴァリンといえば、なんといってもあの鋭い爪だ。いかなるものも引き裂く超合金の爪が武器だが、その強力さ故、自身を孤立させ、新たな敵を作ってしまう。
そのウルヴァリンが如何にして誕生したのか、その秘密が明かされるのが本作だ

たしかに誕生秘話は興味深い。時系列でいえば後になる本流「X-MEN」に登場するキャラクターも点在し、なるほどトリビア的要素でファンを喜ばせる。
ウルヴァリンを演じるヒュー・ジャックマン自身がプロデュースして、この作品を作ろうとした動機は充分わかる。
だが、本流「X-MEN」三部作を遡ってそのプロローグを描いて成功した「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」に比べると、キャスティングの魅力、巧妙なストーリー運び、映像と音響の迫力、どれもが見劣りする。ましてやバットマンを叙事詩的レベルにまで昇華させた「ダークナイト」シリーズとは比ぶべくもない。

たしかに“大人の映画”を目指すのも手だったのかもしれないが、ウルヴァリンの魅力といったらやはり野性的な鋭い爪だ。この爪で引っ掻き回す、ファンが「待ってました」と手を叩くような作品のほうが合っていたのではないだろうか。どうも監督(ギャヴィン・フッド)がエンタメ向きではなさそうだ。

マスター@だんだん