「構成が秀逸。だがオチは……」消されたヘッドライン marumeroさんの映画レビュー(感想・評価)
構成が秀逸。だがオチは……
構成が素晴らしいです。
事件、友情、ジャーナリズム、陰謀、政治と複雑にテーマを孕んでいながら、とても丁寧に整理され、物語を追いやすい構成と展開のテンポ感が、こちらを引き込んでくれます。
例えば、新聞記者の調査の進展と登場人物たちの人間関係の深化が上手く並走されていくから、余計な混乱をせずに次の展開に興味を持ち続けられるのです。
面白い言い回しながらも端的によく芯を突くようなセリフ構成、私はたまらなく好きです。
派手な演出は必要とせず、カメラのアングルや編集のリズムで、心情や物事の動きなどを綿密に表現されていると感じました。
豪華キャストの名演もまた、作品のクオリティを高めています。
しかし、オチと言いますか、最後の変転の部分には、少し拍子抜けしました。
個人的葛藤と国家的陰謀のスケールを、一線上に収束させるということには、疑問を持たずにはいられません。話としては理解できるのですが、オチとしてシンプルに魅力に欠けますし、最後の最後で感情的に追いつけなくなったことが非常に残念です。
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