劇場公開日 2008年9月6日

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「ジョディ・フォスターはこれでいいのか?」幸せの1ページ いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5ジョディ・フォスターはこれでいいのか?

2008年8月31日

笑える

対人恐怖症で、ひきこもりで、極度の潔癖症のベストセラー冒険小説家を
 コミカルに演じる最近ではあまり観れないジョディ・フォスターを、
 アビゲイル・ブレスリンと動物たちの頑張りを、楽しむ作品。

 描くヒーローは、豪快で逞しい理想の男性像であるが、
 大人気の冒険小説家なのにアレクサンドラ(ジョディ・フォスター)は
 対人恐怖症で、ひきこもりで、潔癖症。
 ネタに困った彼女は、たまたま見つけた孤島で暮らす
 海洋学者ジャック(ジェラルド・バトラー)の記事に興味を持ち、
 彼に協力を求めていたが、連絡を取り合っていた、
 学者の娘ニム(アビゲイル・ブレスリン)から、
 ある日、SOSのメールを受け取る。
 ニムを救うために、アレクサンドラは勇気を振り絞って家の外へ、
 南太平洋へと旅立つ。

 他の出演作もあるけど、最近のジョディ・フォスターは、
 パニック・ルーム、フライトプラン、ブレイブ ワンと、
 タフな女性、タフになっていく女性の印象が強く、
 そんな作品ばかりをあえて選んでいるように感じる。
 しかし、今作は何度も書くけど、
 対人恐怖症で、ひきこもりで、潔癖症である。

 そんな女性が家を出て少女を助けに行こうと決意する過程は、
 説得力を持たせようとはしているが、正確な場所が分かった時点で、
 自分から行こうと思うか?と思っちゃって納得は出来なかったが、
 自分が作り出した冒険家で正反対の性格のような
 アレックス・ローバー(ジェラルド・バトラー・2役)と共に、
 励まされながら、面白おかしく、飛行機を乗り継いで、ヘリに乗って、
 ボートを漕いで、何とか島に辿り着こうと努力してる姿は面白い。
 ドタバタのコメディであります。
 家を出る前のダンスシーンなんて、ビックリで必見。

 でも、それもジョディ・フォスターに持ってるイメージがあるから
 面白さが増すわけで、
 今まで全くジョディ・フォスターの出演作を観ていなかったら、
 どうなんだろうな。
 それなりには面白いだろうけど、それは僕には分からないし、
 どこかの番組じゃないけど、点じゃなくて、線で観ると面白い、
 ということか。

 それは面白いのだが、家を出るまでに結構な時間を使い、
 辿り着くまでも時間がかかるなぁ、もしかして、と思っていましたが、
 案の定でありました。
 完全なコメディ作品として、締め括るならあのオチは弱い。
 もっと強烈な一言が欲しかったか、呆然としたような表情が欲しかったか。
 邦題は 幸せの1ページ ですから、あれでもありなんでしょうけどね。
 この邦題にもう一文字付け加えたら、そのままだったね。

 何度も書くように僕は、
 ジョディ・フォスターのコミカルな演技は面白かったし、
 原題が NIM'S ISLAND であるように、
 ホントの主人公であるアビゲイル・ブレスリンは、
 ジョディ・フォスターよりも体を張って冒険し、動物たちとの触れ合いも、
 助け合いも可愛く、それほど出演時間はなかったが、
 2役のジェラルド・バトラーは、タイプの違うワイルドな男性を、
 お得意そうに演じていました。

 詰め込まれてる要素はさらっとしたもので、少女と作家の交流も、
 作家が自分の殻をやぶる過程も、親子の自然を大切にする想いも、
 それほど深いメッセージを、深く描いているようには思えないが、
 島の美しい自然を楽しんで、コメディ要素を楽しんで、
 童心に返って可愛らしいお話を楽しめるなら、アリか。

いきいき