「何を見せようとしたのか?」Dr.パルナサスの鏡 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
何を見せようとしたのか?
テリー・ギリアム監督の創造する鏡の中の世界が、絵柄、俳優の顔を含めて受け入れられるかどうか、映画の成功はこの一点に掛かっている。
ヒロインのリリー・コールは独特の顔立ちで魅力があるが、鏡の世界の描写についてはオーソドックス。途中で主役のヒース・レジャーを亡くし、その役を3人に演じ分けさせるという発想はおもしろいものの、これとてオムニバスの域を出ない。ひとり、ジョニー・デップが短い出番にもかかわらず、持ち味を発揮したぐらい。イマジネーションだけで訴えるのには限界がある。
娘を救うための秘策でもあれば引き込まれもしようが、ただただ、文字通り“賭け”の連続。繰り返すことの面白さもないまま、極彩色の2時間。つまらんものを観てしまった。
小人のパーシー(ヴァーン・トロイヤー)は味がある。
音楽も個性ある旋律で耳に残る。
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