「ギリアム監督のイマジナリウム」Dr.パルナサスの鏡 りりーさんの映画レビュー(感想・評価)
ギリアム監督のイマジナリウム
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奇想天外なファンタジーです。
ギリアム監督の本領発揮ですね。
パルナサス博士は、1000歳。
悪魔との取引で、これからも生き続ける永遠の命を授かった。
パルナサス博士の見世物小屋一座には、人間の欲望を具現化させることのできる鏡がある。
人間の欲望とは、おぞましいものですね。
子供が鏡の向こうに入れば、ゲームとお菓子の世界。
中年女性が入れば、ファッションと宝石の世界。
実業家が入れば、天上へと続く階段。
私などが入ると・・・
人間が持つ、欲望・夢・・名声・罪・罰・虚構・真実・金・過ち・策略・愛・・・。
幻想の世界は、魅惑に満ちているが、同時に危なくもある。
二者択一。
参加するも参加しないも本人次第。
それにしても、この幻想の世界(世界というより、宇宙ってカンジ)は、何と摩訶不思議で、夢に満ち、映像が素晴らしいのだろう。
ギリアム監督の、頭の中は、こんなにもイマジネーションに溢れているんだ!と。
ストーリーがどうのこうのじゃなくて(ファンタジーなんだから)、この映像と監督の世界観が楽しめた。
現実世界を撮り終えた時点で、急逝したヒース・レジャー。
その意志を繋いだ3人の親友。
監督独特のワールドの中では、4人1役でも違和感なし。
エンドロール後、真っ暗になった劇場内に、ケータイの呼び出し音が鳴る。
何回も鳴る。
トニーは、どこかにいるのかもしれない、と思わせる。
そして、ヒースまでもが、まだ生きているのかもしれないと思えてくる。
後から、ケータイの呼び出し音を思い出すほどに、胸にグッと迫るものが込み上げてくる。
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