「グラグラ、グヮングヮン、ほ~ら、またオチタ。」ダークナイト いきいきさんの映画レビュー(感想・評価)
グラグラ、グヮングヮン、ほ~ら、またオチタ。
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バットマン&ハービー・デント&ジョーカー
ブルース・ウェイン&ハービー・デント&レイチェル・ドーズ
2つのトライアングルを何者なのか、何が出来るのか、
全く分からない過去のない男ジョーカーが、己の信念に基づき、
ただただ破壊し、楽しむために、周辺を巻き込み、自分を巻き込み、
ゴッサム・シティごと、グラグラと、グヮングヮンと、揺さぶり、
弱みのある人間をことごとく突き落とす。
バットマン(クリスチャン・ベイル)と
ゴードン警部補(ゲイリー・オールドマン)はお互いを信頼し、
日々起こる犯罪にゴッサム・シティで立ち向かっていた。
そんな中に、突如としてジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗る
白塗りの顔で、口の裂けた正体不明の男が暗躍し始め、
バットマンたちを嘲笑うかのように、
楽しむように凶悪事件を次々と起こしていく。
正義感に燃える新しく赴任した
地方検事の“光の騎士”ことハービー・デント(アーロン・エッカート)は、
バットマンたちと協力し犯罪撲滅を強引に進める。
街を混乱に陥れるジョーカーはそれでも手を緩めることはなく、
策略を練りバットマンたちを窮地に追い込んでいく。
バットマンが正体を明かさなければ、毎日市民を殺す、と。
最後まで書くけど、ネタバレはないかな。
冒頭の銀行強盗で、今作のジョーカーがどれくらいクレージーなのか、
何を楽しもうとしてるのかを見せる。
ジョーカー役のヒース・レジャーは登場シーンの後姿からオーラが凄く、
ジョーカーが作品中で人々を震え上がらせるように、
劇場内の空気も完全に変えていた。
一杯ではない劇場を、この時期だとリピーターも居るであろう劇場を、
緊張感のある凍りつくような空気で満たしてくれる。
全身から極端な異常性と、徹底的な破壊性を感じさせ、にたにたと笑い、
クチャクチャと音を立てて食べ、こちらの神経を逆撫でし、
笑顔に含まれる邪な部分と、楽しんでいる部分。
その楽しんでいる様子が、想像していた以上に恐ろしく、素晴らしい。
撮り終えた作品はコレが最後というのは、ホントに惜しい。
今年観た作品の中で、ゼア・ウィル・ビー・ブラッドの
ダニエル・プレーンビュー役ダニエル・デイ=ルイスと、
ノーカントリーのシガー役ハビエル・バルデムと共に、
アカデミー賞よりも先に3大強烈キャラクター賞を僕から贈ります。
アカデミー賞ノミネートされるのかな、獲れるといいな。
マホーン捜査官
(byプリズン・ブレイク シーズン2(ウィリアム・フィクナー))の
強気な態度からのアホ面も楽しい。
こんな何気ない会話に伏線を張っていたのか。全く覚えてなかったよ。
偽バットマン登場。
他の派手なシーンは最高なんだけど、バットマンが生身の人間だとしても、
格闘シーンは同じリアル志向のポール・グリーングラスに撮ってもらえ、
と相変わらず思わないでもない。
スケアクロウ役のキリアン・マーフィーはいい味出してます。
アルフレッド・ペニーワース(マイケル・ケイン)と
ルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)との会話は
相変わらずお洒落で和ませてくれる。
特にマイケル・ケインはクリスチャン・ベイルとの対比が絶妙なのか、
多くない出演時間でも前作同様に、いい感じに印象に残る。
好演俳優こと顎われアーロン・エッカートは
登場シーンからアーロン・エッカートなんだけど、作品にマッチしていて、
後での演技もアメコミらしく作品に嵌まっていて、素晴らしい。
それだけに僕は上映時間がもっと長くてもよかった。2部作でもよかった。
前作のケイティ・ホームズからレイチェル・ドーズ役になった
マギー・ギレンホールは同路線の素直なバトンタッチか。
でも、アメコミヒーローモノってどうしてヒロインがこうなんだろう。
個人的にはケイティ・ホームズの方がよかったかな。
ジェームズ・ゴードン警部補役のゲイリー・オールドマンは
前作同様お前はホントにゲイリー・オールドマンか?と思ってしまう。
ゴードンとゴードンの家族はこの作品に重要な存在だよな。
クリスチャン・ベイルは
ブルース・ウェインでのプレイボーイを装う姿の方が、
バットマンとして苦しんでいる姿よりも、
思い出されるのはどうしてだろう。
あんなに侍らしても、やっぱりそれでも、レイチェルなんだなぁ。
HA HA HA HA HA もうこのジョーカーの笑い声が耳について離れません。
さすが プレステージ の監督だ、
ジョーカーの鉛筆消しのマジックが最高です。
ジョーカーの口の傷の作り話は、やはり全て嘘なのであろうか。
全てが嘘ではなく本当の部分もあったりするのであろうか。
香港での飛行シーンから、脱出シーン、そして贈り物の一連も好きだ。
ジョーカーからの贈り物にはマジでビックリしてしまった。
あぁ一瞬だが素顔のジョーカーにも恐怖を感じる。
正体明かしにもビックリだよ。
カーチェイスでのバズーカ、ズドーンの派手さもいい。
バットモービルの突進、身を犠牲にしてのジャンプ、泣けるよ。
邪魔な物を破壊して、トレーラーごと破壊も出来るだろうに、
あくまで殺すようなことはしない。
そして、バットポッドの登場シーンに、
元子供の男の子としては最高に痺れてしまう。
そんな部分をクスグル所も忘れないのがいいよな。
その緊迫の展開に挟まる、おっさんだったり、子供だったりも、いい。
徹底的にダークだけど、お洒落な会話だったり、
挟まる一般市民のマヌケ面だったり、
それがあるからこそジョーカーの強烈さなどが更に際立つんだろうね。
つんのめりトレーラー大回転からの、バットポッドの止まり方、最高。
バイクじゃないけど、チャリでも帰りながらウズウズしちゃう。
いや、出来ないから。
ヤレと言うジョーカー、出来るのかバットマン、やっぱり・・・。
その時のクリスチャン・ベイルの叫びはよかったな。
おお復活!!ああ何故そっちなんだよ。
観てない人にはサッパリ分からなくなってきました。
そして、映像的にも、美術的にも、衣装やメイクにも、
妥協のない素晴らしい出来なのに、
ゴッサム・シティの空気感なども素晴らしいのに、
ここでのあの人の負傷シーンだけは、
何かちょっと変じゃなかったでしょうか。
何故あそこはあれでよしとしたのか分からない。
ジョーカーさんの思惑通りばっかりだよなぁ。
ホントに手のひらの上でコロコロ、コロコロと転がされてるよな。面白い。
あぁ手紙の内容が、悲しすぎるよ。
トゥー・フェイス!!
カオス、カオス。
カオスを作り、カオスを説明し、カオスに引きずり込む。
またも身を犠牲にしての突進。もうたまらんわ。
爆破シーンの派手さも、豪快さも、タイミングも抜群で完璧。絶妙。
ジョーカーさんのコスプレも嬉々としてる様子も最高。
ここまでやるのかという所までいっちゃうバットマン。
それもこれも、ジョーカーさんのせいであり、バットマンのせい。
一般市民たちに、選択を迫り、まだまだ楽しむジョーカーさん。
もう、どうにでもしてくれ。
ピエロ、ピエロ、見た目は重要?と楽しむジョーカーさん。
もう、映像も忙しいし、訳が分からなくなってきました。でも、楽しい。
市民たちのカッコいい選択。ちょっとカッコよすぎるか。
ヒーローモノだしね。
いや傷の話はもういいから、どうせ嘘でしょ?ここできたよビューン。
と思ったら、狙いはまだあるよ~んと、あ~あ、もう引き戻せないよな。
真実を知らせることも、知ることもないんだね。いや~悲しすぎるよ。
ダークナイト誕生!!
でもジョーカーは言うだろう“WHY SO SERIOUS?”と。