「歴史に残る神話!」ダークナイト ハットコックさんの映画レビュー(感想・評価)
歴史に残る神話!
本作は、最初の空撮で大作を予感させ、銀行強盗のシーンでそれを確かなものとし、ジョーカーの初登場で神話へと変貌した作品だと思います。冒頭からすでに大傑作なんですよ!
ヒーロー映画の面影を残しつつ、シリアスで社会的なメッセージが多く込められた脚本。"正義"を貫くバットマンをあざ笑うなのように颯爽と現れるジョーカー。彼の目的は"犯罪で遊ぶ"こと。その一つとして、善人を悪党に落とすことができるかを試そうとします。
ジョーカーの台詞が観る者の心を突き刺し、今まで信じてきた"正義"に対して疑問を抱かせます。ヒース・レジャーの演技は神業。亡くなってしまったのが本当に残念です。
さて、まるでジョーカーが正しいと言っているみたいですが、それは間違ってはいません。実際、バットマンも"正義のため"にヒーローの掟を次々に破ります。ある意味で、ジョーカーは正論を語っているのです。むしろ間違いを犯しているのは、バットマンたちなのです。しかし、我々にとってのヒーローは彼らであり、敵はジョーカーです。この"矛盾"が本作の重要な鍵になっています。
そして混乱の果てに生まれてしまったのが…
キーワードは"正義"という"矛盾"です。ここを突いた点が、今なお評価される要因だと思います。
ノーラン監督のCGに頼らない映像も、本作では大成功をおさめました。あの重々しい雰囲気は、実写でしか表現できません。
はじめに書いたように、まさに神話です。大傑作です。
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