「正義とは?ヒーローとは?」ダークナイト ゆめさんの映画レビュー(感想・評価)
正義とは?ヒーローとは?
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「正義」について考えるのが趣味になってる身としてはとても面白かった。
そしてひたすらにジョーカーが怖い(ジョーカー役の役者さん、すさまじい演技だ)。ジョーカーの映画と言っても過言ではないくらいの存在感を放っていた。
街を破壊し人を殺しまくるジョーカーが楽しそうにイキイキと行動するのに対し、バットマンやハービー検事ら「正義」(街や人々を守るという、利他的行動)の人々がことごとく苦悩し、辛酸をなめることになるという本作。
正義とは、ヒーローとは何なのか。
かくも辛く厳しいものなのか。
自己犠牲なしではいられないのか。
バットマンは法からはみ出して正義を執行する存在。
ハービー検事は世の中の法にのっとって正義を執行する存在。
ジョーカーは倫理や常識が通用しない純粋悪(金銭目的や過去のトラウマによる人格破壊といった背景を必要としない)としての象徴。
この作品では世の中の法は敗北し、世の中の決まりを逸脱して執行される正義と純粋悪が生き残る。
そして正義は正義であるための一線を守ろうとする限り悪すら壊せないというジレンマ(一線を越えたら正義ではいられなくなる)を抱えるため闘いは終わらない。
私は本家バットマンやアメコミヒーローものはあんまり観てないけど、夫に話を聞いたら勧善懲悪のアメコミヒーローへのアンチテーゼになっているのがわかる。
ハッピーエンドで終わらない、考えさせ続ける作品だった。
いかんせん内容が重くてツラいので、バットマンの脇を固めるマイケル・ケインやモーガン・フリーマンといったベテラン俳優の穏やかさが癒し。
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