「賭け事の勝負中心の話ではなかった」ラスベガスをぶっつぶせ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
賭け事の勝負中心の話ではなかった
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:75点|音楽:75点 )
優秀な学生たちとカジノとの知恵比べの対決の話かと思いきや、教訓も多少含んだ波乱の娯楽作品だった。実際の話を基にしたということだが、おそらくは殆どが脚色された独自の話だろう。話はやたらとやりすぎで現実的とは思えないし都合がよくまとまりすぎていて突っ込みどころは多いのだけど、常に展開が激しく動くので退屈はしなかった。真面目一本やりの人生から金を得て調子に乗る主人公がいて、豪華絢爛なラスベガスの雰囲気にすっかり呑まれていく様子の描き方は上手い。そのもてないオタクな友人も愛嬌があるし、狡賢い教授に用心棒と、登場人物も個性があって良い。
ブラックジャックは21に近い数字にしたものが勝つという単純で有名な賭け事だが、その賭け事に勝つためのカウントとは何なのか説明が少ないので何をやっているのかわかり辛い。「レインマン」でホフマンがやったことに似ているようだ。もっとも彼は全てのカードを記憶するというとんでもないことをしたが。
個人的にはラスベガスのカジノでひどい体験をしたことがある。そんなに勝たなくてもいいからとりあえず大負けしなきゃいいやと思って、ルーレットで赤ばかりに10回以上連続で賭けていた。すると黒ばかり連続で10回以上出されるという、確率的にまずあり得ないような酷いことをされて、屈辱的な負けかたをした。そんなラスベガスのカジノからどうやって金をもぎ取ってくるのか。自分が負けているし、実際の話が基というので興味があった。しかしどうやって勝っていくかということに作品の焦点が当たっていないし、カジノから金を掴む戦術と過程や熱い勝負の描写という期待とはかなり内容は異なった。