劇場公開日 2008年4月12日

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「ジェインオースティンなんて知らないし…」ジェイン・オースティンの読書会 kuさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ジェインオースティンなんて知らないし…

2014年12月31日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

前半部分はちょっと退屈でした。
主になる登場人物が次から次へとでてきて、そもそもジェインオースティンを全くこちらは知らないのに、作品の内容の話ばかりをされて、ちょっと見るのやめようかなと思ってしまいました。
ただ、どんどんこの物語への印象が変わっていきます。

作者を崇拝するかのような熱狂的な人、全く読んだことのない人、と作者に対する興味の度合いもさまざまな男女数人が集まり、毎月、オースティン作品について語る「読書会」を開く。日本でもこのような会はあるのでしょうか?なんだか楽しそうです。

読書会は、最初は本当にただの「読書会」であったのが、オースティン作品について意見を交わしていくことで、己の人生も見つめ直すようになっていく・・・。
皆オースティンが好きで、好きなものについてとことん語り合える場である「読書会」は、大切なよりどころのようなものなのでしょう。だから、人間関係が悪くなっても、会だけはきっちり毎回続いていたのも納得です。
正直登場する女性達は本当に勝手な人間が多く、いらつきました。
どうしてそこまで感情的なんだ・・いい大人なのに・・と思って共感はあまりできませんでした。が、だからこそ最も年長者の女性(名前忘れました)が魅力的なキャラクターとしてうつり、癒しにもなり、グリッグも素敵な男性キャラクターに見え、無意味な苛立ちではなかったかなという感じです。

ラストが気持ちのいい終わり方でした。個人的に、同性愛者の娘だけが皆と環境が少し違うような感じがして、さびしさを少しのぞかせていたように思い、(色々解釈はできると思いますが)それがまたすごくリアリティがあってぐっときました。

ku