劇場公開日 2009年1月24日

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「後日談として」007 慰めの報酬 N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5後日談として

2021年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

スカイフォールからしか見ていなかった本シリーズ。
「カジノ・ロワイヤル」に続いての鑑賞で、ついにコンプリートする。

あまり振るわなかったと散々聞かされて期待値が低くかったせいか、
むしろそうは感じなかった。
前作の後日談、と分かって挑めば、独立して楽しみにくい分、全体がぼやけるのもわからないでもない。

「カジノ」に続いてやはり思うことは、女性の使われ方がこれまでと全く違うことだろう。
「ワールド・イズ・ノット・イナフ」でもソフィマルソーが、
意志ある女性としてボンドとタイマン張っていた記憶があるが、
それをさらに本格始動させた印象があり、
翻弄されることでボンドの人間味がいい具合に引き出されて、
その不安定なところが物語に新たなスリルを加えているなぁと感じる。

登場人物の出入りが早く、数も多い本作。
私にとって唯一の難点は、ついてゆくのが大変だったことかな。
もう少し絞っていただければと思うも、
脚本家がストライキしていたりとこれまたたいへんだったそうなので、
むしろよくまとめたし、公開できたなと思う。
そんなこんなのラストも、どうもモヤモヤしてしまうけれど、
スペクターまで続いているからと思えば、
トゥービーコンティニュードという通過地点でもあるためだし。

やはりかなり冒険、実験している本シリーズだということが、よく分かった本作だった。

N.river