「水道利権と復讐」007 慰めの報酬 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
水道利権と復讐
ボリビアでは収入の半分が水で消えてしまう。そんな国を元軍事政権トップのメドラーノ将軍を支援して、エコロジーを謳った「グリーン・プラネット」の代表者ドミニク・グリーンというフランス人実業家にたどり着いたボンド。
悪の組織がCIAとの駆け引き、そしてまたもやMI6から任務を解かれたジェームズ・ボンド。とにかく殺しすぎるため背後の巨悪にたどり着けないもどかしさ。とりあえず復讐するために生きる女カミーユと手を組み、グリーンの陰謀を阻止すべく立ち向かっていく。
オルガ・キュリレンコが褐色に日焼けして魅力的。メドラーノ将軍に近づくためにドニミクとも寝たという経緯を知る限り、彼女も元スパイなのだろう。盟友フィリックス・ライターもいいところでボンドに協力するが、CIAの目的もなんだか不自然なまま。さらに悪人に魅力がなく、どうせドミニクも末端なんだろうと思わせるところが全体的に弱い原因か・・・カーチェイスなど随所に興奮できるシーンがあるだけにもったいないと感じてしまった。
完全な続編として、ル・シッフルの相場を操る悪事には劣るし、マティスはどちら側なのかという不思議な扱いだったし、わからない点も多い。キュリレンコの魅力がなければ、単なる繋ぎの作品でしかないような・・・
ただ、若干の社会派要素。水道利権で儲けている悪人たちや、環境保護の名目の下に権力を掌握しようとする奴らがいることは忘れてはならないと感じた。
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