「あえてネチネチと描くことで終わりなき悲しみと事件の泥沼化を表現している」チェンジリング Sp!ke-Yさんの映画レビュー(感想・評価)
あえてネチネチと描くことで終わりなき悲しみと事件の泥沼化を表現している
「マイティ・ハート」では夫を探して、「すべては愛のために」では不倫相手を探して、「トゥームレイダー」ではお宝を探して...とにかく探すことが大好きなアンジェリーナ・ジョリーが今度は息子を探すわけなんだけど...決してハッピーエンドじゃないところがクリント・イースト・ウッドの意地悪さの中にある人生の教訓みたいなものがいつもながら入ってて深い味わいの作品となっている(._.)
この作品、チラシとかもほとんど観ずにクリント・イースト・ウッド監督、アンジー主演、子供がいなくなるということしか知らずに観たから政府が゛からんだミステリー映画なのかと思ってたんだけど 事件を背景に描かれている実話ベースなんだね(>_<)
子供がいなくなってから、黒幕はなんなのか気になっていたら...急に1920年代後半に起きたゴードン・ノースコット事件のことが出てきて「この事件とつながるワケなの?!!」って思った(>_<)
この事件自体はシリアルキラー犯罪として歴史的に有名な事件で、個人的にも知っていたから逆にあまり情報を入れずに観てよかったと思う。事件のこと知ってたらだいたいわかっちゃうからね(._.)
この映画って結構じわじわと「そこまで描くの??」って部分まで描いてあるからじれったさすら感じさせるんだけど、逆にそれがつきない悲しみと事件の泥沼化を描いているような感じがしてさすがクリント・イースト・ウッドだと思った。
この作品を観て結構「アンジェリーナ・ジョリーが女性的」っていう意見が多いんだけど、最近のアンジーは「グッドシェパード」や「すべては愛のために」を観ても逆にそんなに男前な役はわりとやらなくなってきてると思うんだけど...(._.)
それよりも個人的にはジョン・マルコヴィッチがちょっと頼もしい善人役だったから意外だった。マルコヴィッチと言えば強烈な個性を持つクセ者俳優で善人が最も似合わない俳優だから、この映画で最初に出てきたときは「こいつず犯人なんじゃないの??」って思った(>_<)
女性的なアンジーよりも善人のマルコヴィッチが観られるだけでもちょっと価値のある作品だと思うよ☆