「CGとか言いつつ、実際は現地で撮ったんじゃない?」アバター(2009) リュウシン!!さんの映画レビュー(感想・評価)
CGとか言いつつ、実際は現地で撮ったんじゃない?
圧倒的な映像描写がまあえげつない。美しい自然に満ちた“パンドラ”。地球とは全く違う生態系なんだけど、CGじゃなくて実写ですって言われた方が納得できるそのリアルさ。
まず圧倒的なその映像を念頭に、構図や視点での没入感も流石のもの。監督が「ターミネーター」シリーズや「タイタニック」を手がけたすごい人だしね…。
アバターと人間だの切り替えなんかでは一人称で視界がぼやける感じがされたり、大きな航空機や木を魅せるために視点を引いたり人間やアバターと比較を見せてきたり。そのおかげで規模感も伝わりやすい。
それだけの没入感の中で、戦争に対するメッセージ性も込められている。明らかに人間に対する執念が感じられますね。笑
戦争モノに比べても明らかに、兵士を殺そうとする意志を感じる。ふつうに爆死や銃撃だけじゃなく荷物で圧死とかヘリのプロペラに巻き込まれてとか、美しい自然の中でグロい殺し方しちゃって…。
美しい自然に生きる現地民と、侵略者となる地球の人間。我々は本来人間側なはずなのに、どうしてもアバター達現地民側を応援したくなってしまう。
もちろん悪役として描かれているのもそうだけど、美しい世界を破壊し、支配を目論む人類。現地民の意思など関係なく資源を求めて虫のようにあつかう。
地球とは無関係の星を見ているはずなのに、戦争を始めてしまう人類には地球の自然破壊や戦争を当てはめて考えてしまう。
美しい圧倒的な映像描写に加え戦争に対するメッセージ性も込められていて、世界興行収入1位も納得の神作でした。