「嘘で固めた正義感。」ワールド・オブ・ライズ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
嘘で固めた正義感。
自国ではあまり奮わなかったらしい本作だが、
さすがにリドリー卿!この上なく面白かった(怖かったけど)
情報戦のやりとりに生じる緊迫感、家族サービスをしながら
冷酷に人間を操る傲慢さ、結局どんなハイテクも人間業には
叶わないという、訓示を思わせる描き方に頷ける部分が多い。
どの嘘が世界を救うのか…?がテーマらしいけど、
正義面して、ありもしない戦争やテロ組織をデッチあげたり、
武器を横流しして金儲けを企んだりする人間が当たり前に
嘘をつく時代の中、あとどれだけ嘘をつけば気が済むんだ!?
という気がしてならない。
今までウンザリするほど見せつけられてきた大国の正義感が、
多くの犠牲を生じさせてきた(特に民間人の)ことを忘れては
いけないと改めて思った。
組織の仕事とはいえ、他人を侮れば自らも侮られるのは当然。
セルフパロディか??と思わせるほど自国を嘲笑したあげく、
その対照として、ものすごくオイシイ役をハニ・サラームを
演じたM・ストロングに演らせたあたりも巧いよな~と思った。
ハイテクと原始の闘い。(爆)
静かに進行する計画の陰で、誰が善人か悪人かも区別できず、
信心に従ってつましく生きている民間人の悲劇が浮かび上がる。
観応えがあるし、緊張感も途絶えることがない。
まぁラストは…やはりそうくるか^^;的な結末にはなるものの、
レオとラッセルの攻防戦には最初から最後まで踊らされる。。
(事件は現場で起きているんだっ!!うん、まさにそのとおり。)