「【”溺れそうだ・・、とアフガン戦争から戻った心に傷を負った家族の皆の自慢の兄は虚ろな目で言った。”今作は戦争の恐ろしさと哀しさと、心に傷を負った兄であり夫であり父を想う家族愛を描いた作品である。】」マイ・ブラザー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”溺れそうだ・・、とアフガン戦争から戻った心に傷を負った家族の皆の自慢の兄は虚ろな目で言った。”今作は戦争の恐ろしさと哀しさと、心に傷を負った兄であり夫であり父を想う家族愛を描いた作品である。】
■アフガニスタンへ出兵し戦死したという報告が入った兄・サム・ケイヒル(トビー・マグワイア)。
彼の死により傷ついた妻グレース(ナタリー・ポートマン)や幼い娘二人を想い、一家の厄介者だった弟のトミー(ジェイク・ギレンホール)は、人が変わったように彼女達の家の台所をリフォームし、娘達とも仲良くなっていく。
だが、ある日、米軍からサム生還の知らせが届き、やせ衰えたサムが帰還する。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・観ていて、キツイ映画である。サムは海兵隊の大尉としてアフガンに赴くが撃墜され、アフガン兵の捕虜に、部下のジョー二等兵と共になってしまう。
そして、拷問の末、彼はジョーを鉄パイプで殴り殺す様に命じられるのである。この一連のシーンと、グレースとトミーが親密になって行く様が並行して描かれるのである。
・漸く帰国したサムは、やせ衰えているが、目が異常にぎらついていて、グレースとトミーとの仲を疑っていく様が、恐ろしくも哀しい。
明らかに彼は精神を病んでいるのである。
■そして、或る晩、サムは拳銃を持ち出し、トミー達がリフォームした台所を叩き壊し、家の外に出て警察が到着する中、こめかみに銃口を向けるのである。
トミーが必死で呼びかけると、サムは銃を手から落とし、”溺れそうだ・・。”と呟き、警察に捕まり、精神病院に入るのである。
<サムは病院からトミーに電話し、”弟だ・・。”と告げ、面会に来たグレースに、戦場で自分が犯した行為を告げるのである。
だが、そんな彼をグレースは強く抱きしめるのである。
今作は、戦争の恐ろしさと哀しさと、戦場で傷ついた兄であり夫であり父を想う家族愛を描いた作品なのである。>