つぐないのレビュー・感想・評価
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あえて贖罪と訳すか?
2024年10月24日
映画 #つぐない (2007年)完了
金持ちの家の長女は兄妹のように育てられた使用人の息子と相思相愛
小説家を目指す次女の嘘のせいで息子は無実の罪で刑務所にそして戦場に送られる
ちょっと話に無理があるけどいい映画だった
#キーラ・ナイトレイ はいつ見ても美しい
つぐないという自分への赦し
フランスとイギリスの合作映画だが、当時の背景が非常によく作られていて見事だった。
そもそもあるものと、当時あったものの融合が見事だった。
お金を掛けなければ作れないものと、そもそもあるものとが一体化している。
さて、
この物語の表現方法は少し変わっている。
主人公ブライオニーによって最後に明かされるのが、現実と小説の差だった。
それが物語に挿入されることで、頭に「?」が起きる。
それが彼女が姉のセシーリアを訪問したこととエンドロール直前のシーンだ。
つぐない
それは決して消えることのなかったブライオニーの慚愧の念
これは、13歳の女子のあるあるかもしれない。
彼女はロビーが好きだった。
川に飛び込んでロビーが助けてくれるかどうかを試すようなことをする。
ロビーはまだ少々若すぎたのだろう。
ブライオニーの行為に対して本気で怒った。
ブライオニーは、その行為が逆効果だったことにひどく不満だっただろう。
その後に見た庭でのロビーとセシーリアのやり取りを、ブライオニーには何が起きたのか理解できなかったが、セシーリアがひどく怒っていたように見えた。
加えて図書室で見てしまった二人の行為。
きっとブライオニーには単純なるショックだけがあって、見たものを決して解釈しようとしない思考やその他の思考が葛藤のように拮抗したままだったに違いない。
そしてあの事件だ。
まず双子がいなくなったことでみんな総出で探し始めた。
ブライオニーは草むらにいる人を発見、男はすぐに逃げたが、うずくまっていたのがローラだった。
彼女は「手で顔をふさがれた」といったことで、男にレイプされたと信じた。
その男は「ロビー」だったと証言した。
証言はゆるぎないもので、ブライオニーは頑なに「見た」と主張したことで、ロビーは逮捕された。
5年の刑期
それは物語のずっと後で明かされる。
彼の逮捕の直後に戦争が始まった。
戦争は実際の出来事だが、象徴でもある。
それは、あの事件によって平穏だった家が解散状態に陥ったことを象徴している。
双子を発見し連れ戻したロビーが、その前にローラをレイプしたなど考えようもないが、彼女の証言によって刑罰が確定した。
見た。
このような少女の言動は、日常でもよくあるような気がするし、個人的な記憶にもある。
すべてを破壊した言葉
彼女の証言はロビーに対してだけ効力があったのではなく、彼の母、両親、そしてセシーリア、その他使用人等々、すべての関係者に働いてしまった。
特にローラと後の結婚相手になったポールは、この事件に介入などできず、沈黙を守るしかなかった。
彼らは愛し合っていたのだ。
双子がいなくなったどさくさにまぎれた密会だったのだ。
ローラの結婚式
何故かブライオニーがそこにいたが、それも彼女の小説だろう。
どうしてもセシーリアに謝罪したかった。
ロビーに謝罪したかった。
でも、行けなかった。
なぜなら、現実ではロビーが戦死し、その後すぐにセシーリアも防空壕が水で責められ死亡したからだ。
自叙伝ではなく真実を小説にしたのは、破壊してしまった二人の幸せを物語の中で叶えてあげたいと思ったから。
アルツハイマーを発症した現在老女になったブライオニー
21作目の小説は、書かなければならなかったものだった。
書くことが、彼女にとっての「つくない」なのだろう。
正直に書くこと。
正直な心
自分の思いを正直に言えることは、極稀のように思う。
人は概ね違うことを言葉にしているように思う。
それは自分の気持ちについてだ。
ブライオニーのように言うのも非常に稀だ。
そして言っていいことと悪いことの良し悪しは、すぐにわかってくる。
ブライオニーは確信犯だった。
それが招いた破壊までは予想していなかった。
起きてしまったことを撤回もしなかった。
それは当時のブライオニーの偏った強い思いがあったからだろう。
しかし、
私は悪くないという思考が、徐々に大きな過ちだったと18歳になって初めて痛感したが、時すでに遅しだった。
それ以後は、懺悔の日々だったのだろう。
老女になり、21作目でようやく書き切ることができた「つぐない」は、表面上セシーリアとロビーに捧げたものだが、おそらくその根底にあるのは、ブライオニー自身への赦しなのかもしれない。
初めは感情移入できなかった
事件の犯人だと怪しまれかねない行動を取るロビーと、自身の憶測と願望で犯人を決めつける愚かなブライオニー。最初はどちらにも感情移入できなかった。しかし、ブライオニーが事の重大さを認識するようになり、人生の終盤で自身の罪を告白する姿に最初の印象も変わっていった。ブライオニーは人生でこの苦悩を抱え続けて生きてきたのが、彼女の告白から伝わって切なくなった。
映画の演出は見事。タイプライターの音と列車の電灯の点滅を一致させたり、犯人の姿をカットバックで映して印象的に見せたりするなどの要素が、映画を盛り上げることに貢献していた。この辺は『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』のジョー・ライト監督らしいと感じた。また、ダンケルクの海岸で大勢の兵士達がたむろしているところはリアリティがあったし、陽光に照らされた自然も美しかった。
クラッシック映画の雰囲気全開だが…
「プライドと偏見」とまではいかないまでも、古き良き古風な雰囲気を期待して鑑賞。
期待通りの映像美中で、序盤はそれなりの展開で進んでいたと思うが、中盤から後半にかけてのストーリー展開は、期待から大きく逸れ、乱れに乱れた印象。恋愛・家族愛・格差・裏切り・戦争の残酷さ等々、何でもかんでも詰め込み過ぎたのでは。
また、どんな効果を狙ったのかわからないが、時系列を多少いじってみたり、やたらきれいに飾った映像の中でのいきなりの残酷シーンの連続は少々浮き気味に感じる。
主役陣達の心情もいまひとつわかりにくい…
ずいぶん評価された作品のようだが、観る人の好みによって本作の良し悪しは大きく分かれるだろう。
ふたりの人生を狂わせた罪深き妹の証言
キーラナイトレイ扮する令嬢セシーリアタリスは、ジェームズマカヴォイ扮する家政婦の息子ロビーターナーとケンブリッジ大学で同級だったが遠ざけていた。しかしながらある時ふたりは愛しあっている事を確認した。
身分違いの恋は難しいよね。しかもシアーシャローナン扮するセシーリアの妹ブライオニーに色々見られていた。
キーラナイトレイ主演作かと思って観たが、嫉妬からふたりの人生を狂わせた罪深き妹の証言と言う後味悪い残忍な展開だったね。
一人の少女の嘘が
やっと結ばれた男女の仲を引き裂いてしまう…
生涯をかけたつぐないの覚悟か、裕福な暮らしを捨てて看護師の道へ
ブライオニー役の少女の鬼気迫る演技
I saw him my own eyes
の繰り返しは、、どこか取り憑かれた印象で、凄みがあった。
キーナナイトレイの、美しくも芯の強い女性の好演
プライドと偏見での
あなた、あらゆる言葉で私を侮辱しましたね
と、富豪のダーシー氏と自分の娘を結婚させようと画策する良家の夫人をピシャリと言い放った場面を、思い出した。
また、引き裂かれた相手方の青年
海辺の基地で、水を求めてさまよい、蛇口をひねるも水は出ない…
袋小路に入り込んだ人生を象徴していた
贖罪とは何かを考えさせてくれる映画
小さな嘘がカップル、二人の人間の運命を狂わせていく話です。観終わった後でフランス映画のエッセンスを感じたので確認したら英仏合作でした。フランス映画は人間の機微を描く作品が多いですし、そうした描写が秀逸だったりするので納得です。
ブライオニーの少女時代を演じるのはシアーシャ・ローナン。この作品で2007年の助演女優賞にノミネートされています。この時まだ13歳。上手なだけでなく、しっかりと存在感を感じさせてくれます。のちに「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」では次女ジョーを演じて、オスカー主演女優賞にノミネートされますね。
うその証言によって有罪になった話は今でも全然ありますが、罪の意識を感じるかどうかは人により大きく異なるでしょう。日本で有名な冤罪事件は警察の嘘によって死刑が確定するものも少なくありませんが、関係者が贖罪したという話は全く聞いたことがありません。そうした意識を本人が持ち合わせていても、家族親族が表沙汰になることを阻止することもあるでしょう。
そうしたことを考えさせてくれる映画でした。
マキューアンの世界
多分、この映画がきっかけでマキューアンの小説を読むようになった。イギリスの上流階級、広大な庭園、豪奢な家具にイギリス的(リバティ柄?)壁紙にカーテン、図書室まである豪邸。偶然が重ならなければ、育ちが異なっていなければ、いとこ達が来ていなければ、感性が豊かすぎるあの子さえいなければ、運命が狂うことはなかったのに。幼いシアーシャ・ローナンの恐ろしいほどの演技力にたまげます。
今回、Cumberbatch確認の為に久しぶりに鑑賞。「イギリス」世界に自然に美しくフィットする方です。チョコレート野郎の最低な奴という役回りですが。映画は緑と水と花が美しい映像で時間軸のずらしも素晴らしい。そして音楽、手紙、タイプライターの音がとても効いている。原作はもっと巧妙で果たして本当に「つぐない」になっているのかと読者を悩ませ猜疑心すら抱かせる。映画ではヴァネッサ・レッドグレーブがシアーシャの老年期を演じているのでどうしても肩入れしてしまうが・・・。
凄い音響
ストーリーの重さ、役者の芝居、長回しのダンケルクのシーンなど見所は多いが、なんといっても音響の凄いこと。最初のシーンから音と映像がぴたりと合ってて、本当に気持ちがいい。兵士たちの歌からBGMへと自然に繋がってストーリーを進めたり、思い出話の「月の光」が看取ったあとに流れてブライオニーを後押ししたり。そして全編効果的に流れるタイプライターの音。
なんか凄いものを見ました。
キーラと、マカヴォイの最高傑作
2人が、1番、綺麗で格好良い時に。出会えて良かったぁ。
もう、ロビー。セシーリア。Greenの、この上無く美しいドレスと星の髪飾り
大人になったら、一体、どうなってしまうんだろう?と心配(笑)していた
シアーシャ。当時は、ナンテ凄い子役が出て来たんだ!と驚いたもの。
認められて良かった。彼女も、つぐないの演技が最高なんじゃない?
何回、観ても泣ける。最高のLove Story.
せめていい捉え方をしたいくらい辛い
胸が締め付けられるような話。
前々から気になっていた映画だったけれど
レビューを読んでこれは余裕がある時にみなくてはと心構えで観た。
せめてポジティブな感想をしたい。
結末はどうであれ、
愛し合っていた過去は事実。
それは決して消すことが出来ない事実。
消えない愛し合った事実。
鎮魂
戦争で若くして死した者の無念を、生き残った者が想い祀るのは東西を問わぬ。過去の過ちの為にその想いを倍加する展開であるが、13歳に罪悪感を背負わせるのはそれも罪で、きちんと裁けない司法の問題のはずだが...などと話自体はスッキリはしない。
ダンケルクを長回しで描いたシーンが圧巻。役者陣の頑張りと演出の妙、見応えはある。
原罪と恋愛は小説の永遠のテーマ
年老いた女流作家が追憶する少女期の出来事の、あまりにも悲痛な恋愛ドラマ。ジョー・ライト監督の演出は「プライドと偏見」の時よりも進化して、モンタージュと音の効果に新しい試みを行い、文学の世界観の表現に近づいた印象を持つ。ジョセフ・ロージー監督の「恋」を連想させるが、原作者イアン・マキューアンの世界は更に心苦しく、感情の複雑さに至る。ラストのバネッサ・レッドグレーブの登場で、作家内の想像と小説の為の創造が一つになる面白さが凄い。キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ共に好演。
小説完読後の満足感に似た感銘を得られる反面、鑑賞時の精神安定も求められる難しい映画。
未熟な嫉妬が産んだ悲劇
切なさの中に、ある種の正当性を持つ報いがある。
「無垢な少女」は、「純真」ではない。
未熟な嫉妬心が事実を歪め、
真実を知ることから目を背けた。
恋愛、嫉妬、無垢、偽り、
情熱、真実、贖罪、悲劇、、、
あまりに深いテーマを、見事に描いた名作だった。
息もできない
個人評価:4.3
息も出来なくなるほど、つらく悲しい物語。
前半の透明感あるイギリスの夏の休暇の描写と、後半の戦火に否応にも巻き込まれる登場人物たちの描写があまりにも絵が違い、不幸へと転がり落ちる様を見事に描いている。
またダンケルクの浜の描写は、ノーラン作の「ダンケルク」をも凌駕する演出と長回しの1シーンでの撮影。この迫力あるカットで、物語がよりリアルな世界観へと変わる。
贖罪をテーマに描かれた本作。少女時代のシアーシャ・ローナンの純粋かつ勝ち気な性格が、この物語の贖罪の基盤となり核となる。
そのキーパーソンに抜擢された若き日のシアーシャ・ローナンの宝石のような演技も見もの。
嘘が悲劇に
マッツの偽りなき者を思い出しました。幼い嫉妬からくる嘘が人の人生を変えてしまう。なんて悲しいの!ダンケルクのあたりは悲しさが中だったのですが、ラストの展開に驚かされ、悲しさが大に増えました。あの夜は本当に事件だったのかも疑問ですね。本当は合意の上だったのでは?と。ベネさんファンはとても複雑な気持ちになるでしょう。とても切なく悲しい運命だけど良い作品でした。
「罪 」と「小説家」の成り立ち
聡明な少女ブライオニーの誤解と軽い恋心が、姉と恋人を不幸のどん底に つき落とす
自分の賢さにも 慢心があったかも知れない
この不幸に 戦争が絡み、散り散りになってゆく、人々…
姉妹は 看護婦になり、姉の恋人は ヨーロッパ戦線へ 向かう
ブライオニーは あの事件を反芻しながら、大人になり、真実に気付く
悲しい話だが、これは「小説家の成り立ち」の話でもある
罪を抱えた人間、不幸を知る人間が 物語の語り部になる、という真実
そして、それでも 罪の方は許されない という事実
とても良く 出来た映画で、原作が傑作であろうことが 判る
ダンケルクの海辺における、イギリス軍の撤退と 祖国に戻ることを熱望しなから息絶えたロビーの姿に、多くの兵士を 重ねて見る
私は 会ったことの無い祖父(ガダルカナルで戦死)のことを 想った
ブライオニー、、、
ブライオニーの行動に終始苛立つ。
憧れて恋心まで抱いた男性が姉とできてると知って、嫉妬と増悪の気持ちが招いた1つの少女の嘘が男女の人生を大きく狂わす。
その場の感情と出来心でついた嘘が、こんな結果を生むとは思わなかっただろう。
後悔がつくった妄想の世界では姉に罵られ2人に冷たくあたられる。それで少しでも気持ちが軽くなれたのだろうか。
ラストのシーンでつぐないとして、ここに2人の物語を残すとかそんなこと言ってたっけ。自分がブライオニーの立場だったら〜とか考えたくないな。
つぐないって何だろうね
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