つぐないのレビュー・感想・評価
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「罪 」と「小説家」の成り立ち
聡明な少女ブライオニーの誤解と軽い恋心が、姉と恋人を不幸のどん底に つき落とす
自分の賢さにも 慢心があったかも知れない
この不幸に 戦争が絡み、散り散りになってゆく、人々…
姉妹は 看護婦になり、姉の恋人は ヨーロッパ戦線へ 向かう
ブライオニーは あの事件を反芻しながら、大人になり、真実に気付く
悲しい話だが、これは「小説家の成り立ち」の話でもある
罪を抱えた人間、不幸を知る人間が 物語の語り部になる、という真実
そして、それでも 罪の方は許されない という事実
とても良く 出来た映画で、原作が傑作であろうことが 判る
ダンケルクの海辺における、イギリス軍の撤退と 祖国に戻ることを熱望しなから息絶えたロビーの姿に、多くの兵士を 重ねて見る
私は 会ったことの無い祖父(ガダルカナルで戦死)のことを 想った
I saw him my own eyes. 切ない・・・
少女の嘘から生まれる悲劇的なストーリーはもちろんですが、物事を別の視点から見せたり、タバコとか蜂の羽音とか印象的な小物を挟んでいたり、何よりダンケルクの浜辺での長回しと何かと作りが上手い映画でした。
キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイも去ることながら、シアーシャ・ローナンが素晴らしい。あの家の中で角をキュッと曲がって歩く姿だけでキャラクターの曲がったことを嫌う性格を表している感じがしました。アカデミー賞ノミネートも納得です。その分成長したブライオニーを演じたロモーラ・ガライに違和感が(-_-;)ベネディクト・カンバーバッチも意外と重要な役所で出てましたね。
ロビー生きててシーと結ばれたんだ。良かったぁっと思ったら実はそれは創作の中で、現実では戦争で亡くなってたっという救われない話で。それに小説でハッピーエンドをつける事で自分がついた嘘の「つぐない」とするブライオニー。確かにもう二人とも亡くなってたらどうしようもないのですが、きっと老齢になるまで13歳の時の出来事を後悔してたんだろうなぁっと想像するとそれもまた切ない。ラストの浜辺で楽しそうにしているシーとロビー。それもブライオニーの想像と思うとなんとも切なくて泣けてきました。
ブライオニー、、、
ブライオニーの行動に終始苛立つ。
憧れて恋心まで抱いた男性が姉とできてると知って、嫉妬と増悪の気持ちが招いた1つの少女の嘘が男女の人生を大きく狂わす。
その場の感情と出来心でついた嘘が、こんな結果を生むとは思わなかっただろう。
後悔がつくった妄想の世界では姉に罵られ2人に冷たくあたられる。それで少しでも気持ちが軽くなれたのだろうか。
ラストのシーンでつぐないとして、ここに2人の物語を残すとかそんなこと言ってたっけ。自分がブライオニーの立場だったら〜とか考えたくないな。
つぐないって何だろうね
せつない...
少女のひとつの嘘から、彼女の姉とその思い人が引き裂かれてしまう、という悲恋もの。
でも、大好きな二人だからこそ...って気持ちは どっかあったと思う。どっちかが知らない人だったらまた。。。も少し違う話だったかも。
タイトルは、もとのまま「贖罪」で良かったのでは?ラストは...衝撃。世界観が覆る。そして、ただただ、切ない。
感動
最後にぜんぶもっていかれました。
どの人からの視点でも本当につらくなります。
1度みてからもう1回見てしまいました。
願いが込められたとても素晴らしい作品です。
最初の方で飽きてしまってやめたらぜったい損!
少女の正義感
題名の"つぐない"とは、一体誰が、誰に向けて、何を償おうとしているのか、、、。物語が進むにつれて紡がれていく壮絶な物語。
ブライオニーの行動に終始苛立ちを募らせるし、彼女の決断に賛否分かれるかと思いますが、私的には、それが最善であったのかなぁ、と思いました。
どうしようもない、苦しい。
誰だって人は、自分の行動に、謝っても謝りきれないくらいのことがあると思います。
妹の姿を見ていて、とってもとっても苦しかったです。
二人を引き離してしまい、
結局二人は会えず、
自分だけ生き残ってしまう。
どうしようもない、けど申し訳ない。
一つの出来心、なんなら、してやったりの心が引き起こした大きな悲劇。
それぞれの細かい事情だったりはほとんど描かれていなかったように感じます。
だからこそ、“罪”という存在が中心として捉えやすかった。
時系列の表現、視点の変換が、
すっきりとしているのに、とても重たく効果的だったと思います。
考えさせられる、というより
人間のどうしようもない感じ、愚かさ、悲しさをズキズキと感じました。
そして、映像や画がとてもきれいでした!
同い年だけど…
ブライオニー役のシアーシャを初めて知った作品。全く同い年であるシアーシャが演じたブライオニーにはただただ驚いた。
嫉妬して、好きだった庭師に無理やり罪を着せ、姉との恋を断ち切ってしまう。こんなひどい妹をあの年であそこまで演じれるとは…
アカデミー助演女優賞にノミネートされたのも納得。すごく考えさせられる作品だった。
贖罪
報われない。
幼い恋心を抱く妹になんの言い訳もしなかった『全て』が悪いのだと思います。
彼女だけが悪いのではない。
場面転換が必要になると、すぐに次のシーンに行ってしまうのではなく
『タバコを吸う』 『上を見上げる』などの無駄とも思える動作を一つ挟み、次の場面に移るため
シーンが途切れたという印象はなく、滑らかな自然な場面転換。
参考になりました。美しい。
さすがフランス映画というところでしょうか。
清潔な画面。
劇中言語は英語なのですが、発音がフランス語よりです。
初めはフランス語だと思って見ていました。
主役は誰で悲劇のヒロインは誰なのか・・・
主役は誰で悲劇のヒロインは誰なのか・・・
キーラ・ナイトレイ主演のラブストーリーだと思って見たら・・・。
嘘一つで皆の人生が大きく変わってしまう。
ジョー・ライトはすごい。
やめとけ、陸にいる海軍は当てにならない
映画「つぐない」(ジョー・ライト監督)から。
ストーリーとは全然、関係ないフレーズかもしれない。
辛い戦争が終わって、大勢の兵士が国へ引き上げる場面、
船で帰還するため、砂浜にいた陸軍兵士が、
なんとか、少しでも早く帰れるように、
そばにいた、海軍兵士に頼もうとしていた。(状況が違うかも)
そんな彼を見て、呟いた台詞。
「やめとけ 陸にいる海軍は当てにならない」
なるほど、面白い発想だな、とメモをした。
もっと広く考えれば
「陸にいる海軍・空軍は当てにならず、海にいる陸軍・空軍、
空にいる陸軍・海軍も当てにならない」ということだろう。
各々、自分の力を発揮できる場所、ポジションがある。
それ以外のことを聞いても、まともな応えは返ってこない。
そう肝に銘じておくだけでいい。
それだけで、仕事でも生活でも、イライラが減るのだから。
本当のつぐないって
この作品は観た人によって題名のつぐないの意味をどうとるかで別れてくると思う。
冒頭のとこから暫くストーリーに入りきれなく、ある事件からこの先どうなっていくのか興味がわいてくる。個人的には戦争に巻き込まれるよりも、刑務所での暮らし雰囲気、看守からの理不尽な暴行、などをエグく描き男の精神的なとこ恨みなどを描いて欲しかった。
突然戦争に入り別れ離れになった恋人達がいつか再会したいと、一緒に暮らしたいの描写がまだ足りない。
キーラナイトレイが美しく描かれてないとこには不満。
しかしながらラストは個人的には良いラストだと思う。(この作品の主批として)
本当に難しい評論だと思います。人それぞれの考え方があり評価が別れると思います。
ダークな内容だけに疲れている時や不安定な時に観るのはオススメ出来ません。
ちっちゃな嘘、誰もが持つ、後悔の後ろめたさ
ある女性が
少女の頃に思い違いの証言をしたことで
一組の男女の運命を台無しにするばかりか、
生死までも左右してしまった、
悔恨の念を綴った純文学作品の映画化。
彼女は、幼心にその男性にほのかな恋心を
抱いていた、
なのに、姉とその男性との激しい情事のシーンを
目撃してしまう。
だから、一瞬その男性へ激しい憎悪の気持ちが
生じてしまった。
そんなときに、事件がおきる。
この件ほどの大袈裟な誤解や
嘘はなかなかないでしょうが、
誰もが小さい時に経験する事だと思うのです。
彼女の場合、犯罪に関する証言だったので、
取り返しのつかない事になってしまいました。
それも実の姉の恋人を犯罪者にしてしまう
そんな証言となってしまいました。
その後悔の念で、
姉におもいっきり罵られる架空の場面を作り出したりします。
その気持ち良くわかります
力作
大して話題にはならなかった作品だけど、一人の少女がついた嘘によって人生を狂わしていく悲劇のカップルを巡るドラマは重厚で見応えあり。
また、物語の構成も見事で、原作小説のエッセンスを抽出、整理して映画化した監督のジェフリー・ライトの手腕は評価されていいと思う。それから、ジェームズ・マカヴォイの熱演が素晴らしい。
つぐない、というより切ない
幼いが故についてしまった小さな嘘。
戦争さえなければ取り返しのつく嘘なのに、戦争のせいで償うことも謝ることも出来なくなってしまう。
肝心の戦争シーンがグチャグチャで「あれ、どこにいるんだっけ?どっち軍だっけ?」みたいにちょっと分かりにくかったのは玉に瑕ですが、戦火の混乱を描いているということなんだろうな。
それにしても悲しすぎる映画です。
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