劇場公開日 2008年4月26日

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「観ないことをお勧めする」ゼア・ウィル・ビー・ブラッド ろーけんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5 観ないことをお勧めする

2025年7月1日
PCから投稿

駄作ですな。ドラマも描けてないし、スリルもないし、サスペンスもないし。何をしたいんですかこれ。そして、なんでこんなに長い。こんなのが21世紀のベスト100に入るなんて・・・トホホ・・この映画の面白かった点を一つだけ挙げると、それはノロい演出の面白さであろう。全然面白くないエピソードの数数だが退屈に輪をかけるようなノロい演出がなぜか上手くはまっていて、催眠術にかかったような面白さを感じた。しかし、それも一時間ぐらいだったかな。あとは退屈で修行のような長い時間だった。

ちなみに書いておこう・・
「エネルギーを制する者は世界を制する」とは冷戦期によく語られたが、その本質はむしろ「流通を制する者がエネルギーを制する」にある。19世紀末、ロックフェラー率いるスタンダード石油がその典型だった。彼は当初、鉄道会社と癒着することで石油輸送を独占し、競合他社を駆逐していった。しかし、パイプラインの登場によりその支配は揺らぐ。誰もが低コストで油を運べるようになりかけたのだ。だがロックフェラーは巧みに価格競争を仕掛け、敵対的買収を繰り返し、最終的にはパイプライン網そのものをも掌握してしまう。彼の狙いはあくまで「流通経路」の支配だった。精製や採掘は変動しても、流通を押さえれば収益の源は確保できる。

この構図は、21世紀のウクライナ戦争にも通底する。ロシアは欧州へのガス供給のパイプラインを支配し、それを政治的圧力の道具として使ってきた。欧州はこの依存から脱却すべく、LNG(液化天然ガス)や再生可能エネルギーにシフトしたが、すぐには代替できない。戦争の影には「誰がエネルギーの流通を握るか」という争いがあり、これは経済戦争の形を取って激化している。ロックフェラーの時代から変わらぬ鉄則が、今もなお地政学を動かしているのである。

もしやこの作品は最初その辺のことをえがこうとしたのだが、当局から圧力がかかってこんなになっちゃったんじゃないんだろうか?最近のアメリカを見ていると、そんなことも考えちゃうね。

KIDOLOHKEN
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