「オススメ出来ます」歓喜の歌 フリーダさんの映画レビュー(感想・評価)
オススメ出来ます
12月30日。小さな町を揺るがすその“大事件”は、1本の電話から始まった。
「はい、みたま文化会館です。ええ、コンサートご予約の確認ですね。『みたま町コーラスガールズ』さん、明日の夜7時から……大丈夫ですよ、お待ちしてます」
調子よく応えているのは、文化会館の飯塚主任(小林薫)。しかしその直後には、まったく大丈夫じゃなかったことが発覚する!「みたま町コーラスガールズ」と「みたまレディースコーラス」。よく似たグループ名を取り違えたこのダメ主任、コトもあろうに、大晦日の会場をダブルブッキングするという大失態をやらかしてしまったのだ。
市長夫人の居るチームは結成20周年の記念コンサート!
結成間もない庶民派のチームに諦めてもらおうと説得するのだが、一歩も譲らない、、、
思わぬトラブルで右往左往する主任に更なる悲劇が、、、
飲み屋のフィリピン女性に入れ込んで溜まったツケの支払い期日が明日なのだ!
妻(浅田美代子)は離婚を考えて、娘を連れて実家に帰ってしまう、、、
庶民派チームのリーダー五十嵐純子(安田成美)や部下加藤(伊藤淳史)と共に解決の為に頑張る様子が、とても楽しかったです(*⌒▽⌒*)b
そのほか光石研、でんでん、笹野高史、塩見三省、筒井道隆、更に立川談志といった男優の脇役陣も皆さん楽しませてくれます。
コーラス隊も、由紀さおり、片桐はいり、藤田弓子、根岸季衣、平澤由美(舞台『ミス・サイゴン』のジジ役)や猫背椿(劇団・大人計画)など、かなり個性的でした。
始まりはまるでヤル気のない公務員だった飯塚主任(小林薫)が、このトラブルを通して変わって行くのが、見所です。(でも変わったようで本質的にはあまり変わっていないのが、面白かったかな)
頼んだ出前の注文が間違っていたら、「ちょっとお兄ちゃん、これタンメンじゃない。頼んだのはラーメンだよ。そりゃ同じ麺類だけど、ラーメンとタンメン、全然違うじゃん」などと自分のミスを棚に上げて怒るも、お詫びに餃子を持って来た店の娘の話に、ホロリとさせられます。
とても真面目だと思っていたら、案外おちゃめなリーダー五十嵐純子(安田成美)と金魚を盗みに行くのも可笑しかったです(^o^)
エンディングテーマは、クレイジーケンバンドが唄う「あの鐘を鳴らすのはあなた」でしたが、やはりタイトルであるベートーヴェンの「歓喜の歌」(交響曲第九番・第4楽章)の合唱で終わった方が良かったかなと思いました。
それと残念なのは、大晦日のお話なのに、公開が来年の2月だそうです、、、
楽しくて、ホロリとさせられる暖かい気持ちになれる映画でした。
オススメ出来る作品です。