劇場公開日 2009年5月1日

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「前作『CASSHERN』('04)がビックリするくらいおもんなかっ...」GOEMON yosさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0前作『CASSHERN』('04)がビックリするくらいおもんなかっ...

2016年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

前作『CASSHERN』('04)がビックリするくらいおもんなかった紀里谷監督の新作『GOEMON』。
もう完全に疑いのマナコで見始め、やっぱりけったいな映像に頼ったしょうもない映画か…と諦めだした頃、どこで腕を研いてきたのか、ドラマ的な中身が意外に深く詰まっているのに気付き、ちょっと懲りすぎで逆に冷めてまうビジュアル技術もいつしか忘れて没頭してしまった。。
邦画を最後までよそ見せずにキチンと見たのはかなり久しぶり。紀里谷さんが、古くからある時代劇の立ち振舞いもよく分かっているのも好感が持てた。時代劇が時代劇たるゆえに有りがちな、それでいて外してはいけない王道の"復讐"を表に、裏に"それによる起こる報復"、そこから派生する"負の連鎖"を、見事に描けている。
主演の江口洋介はもちろん、五衛門の旧友である才蔵役の大沢たかおなんかがもう素晴らしく、ゴリも意外にええ感じ。
で、個人的に一番の見所にあげたいのは、五衛門と才蔵の相対する考えを巧く物語に絡ませ、結果的に救いようがない哀しみを生んでしまうくだり。彼らが辿る結末は、悲しみか、怒りか、複雑な感情を誘発させる。
強すぎて興醒めしてしまう五衛門のアクションシーンなんかは、もう全くどうでもいい。その辺はもうホントどうでもいい。。
序盤や終盤のハチャメチャアクションは取り敢えず置いといて、一番ダレがちになる中盤の物語をじっくり見ていただきたい一作です。よくよく思い返すと、CASSHERNでも人造人間の苦悩的なものを描けていたし、この監督、実はそっちも巧いんでなかろうか……
因みに、明智光秀役で出演してるのが紀里谷さん、本人だそうで。。

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yos