「ストーカーおじいちゃんの話だが、すべてのショットが芸術」夜顔 エリセさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーカーおじいちゃんの話だが、すべてのショットが芸術
ルイス・ブニュエル「昼顔」の続編として作られた作品。
おじいちゃんが40年越しのストーカー活動を再開する話だが、あまりにも優れた映画術により、なぜかそれが洒脱な大人の遊びみたいに見えてしまう。
とにかくすべてのショットが芸術。インテリア店前の俯瞰ショット、ホテルでの食事シーンなど2人の会話がない、あるいは聞こえないサイレント的なシーンは特に圧巻。
前半の追跡、バーでの会話、ホテルでの食事、いずれのシーンも画面の隅々にまで愉悦が満ちており、「映画を観ている」感覚・体験が強烈だ。
ちなみに「昼顔」の謎2つ、すなわち、
・東洋人の持っていた箱の中身は?
・ユッソンはセヴリーヌの秘密を夫に告げたのか?
について言及するシーンがあるが、いずれも明らかになることはない。
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