「陳腐。でも、何故だか心温まります。」スマイル 聖夜の奇跡 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
陳腐。でも、何故だか心温まります。
陣内孝則が、監督・原作・脚本の作品。彼自身、二本目の映画監督です。
なんと言うか、評価に困る映画です。映画全般に陣内節満載。まじめに泣けるのかと思いきや、テレビで見る陣内監督のイメージそのままのおちゃらけシーンがあったり、チャウ・シンチー張りのインチキ(失礼)SFXがあったりと、結構何でもありの映画です。
今の話と思いきや、実は、今から20年前の話と言うのもミソ。現在ではなく、20年前にしなければならない理由が特に見当たらないので、若干混乱します。雰囲気は、現在感満載なんだけどねぇ。
森山未來の演技が、いろんな意味でキレテいます。ど素人監督の彼の指導で、弱小アイスホッケーチームのスマイラーズが勝ち進んでいくところの描き方が、ちょっと弱いです。もう少し、苦悩してもいいと思うんですが、結構あっさりと勝って行ったりします。
他方、加藤ローサ。北海道のスケートモノと言えば『シムソンズ』(?)ですが、再び、北海道のスケートモノ映画への出演。前回は女子高生と言う役柄でしたが、今回は、成長して、お年頃の女性の役を演じています。彼女は、こう言う役がうまいですねぇ。そのほか、田中好子、谷啓、原沙知絵、佐藤浩市など、豪華な俳優陣がそのほか多数出演。ほとんど、ちょい役でしかない人も居てビックリです。
劇中、何故だか「The Little Drummer Boy」が重要なポジションを占めています。この曲に陣内監督は、思い入れでもあるんでしょうか? 一応、この曲がこの劇中で重要な意味を持つ伏線は描かれているのですが、この曲である必然性が・・・?です。
はっきり言って、かなり陳腐な脚本で、まじめなんだか、ふざけているんだか分からない演出も多いですが、何故だか心が温まる不思議な映画です。