劇場公開日 2008年3月8日

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「大統領はどうでもいいけど、アンジー(ゾーイ・サルダナ)が死ぬところで泣けた・・・」バンテージ・ポイント kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大統領はどうでもいいけど、アンジー(ゾーイ・サルダナ)が死ぬところで泣けた・・・

2018年10月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 8人の視点から描かれる大統領暗殺事件。それよりもその直後に起きる連続爆発の惨状が何度も繰り返される映像によって胸が痛みます。また見なくちゃいけないのか・・・と、午前11時59分57秒から角度は変えてあるけど、空爆を受けた直後のような瓦礫の山と夥しい数の死傷者たち・・・まるで「テロ行為を憎め」と刷り込ませるマインドコントロールを受けているような錯覚にも陥ってしまいました。

 しかし、しっかりとサミット反対デモやリポーターのアンジーによる反証材料もあるし、復讐の連鎖を止めるという言葉が大統領(ウィリアム・ハート)の口から聞けたことにも、単なるアメリカ万歳映画になっていないという証なのかもしれません。複数の視点によってひとつの事件を描くのは最近の流行りなのでしょうけど、見るのが辛いシーンが繰り返されるとどうも・・・と感じていたのに、スペインの刑事エンリケ(エドゥアルド・ノリエガ)の意外性(不死身ぶりや利用されていたこと)と、少女アナのピンチによってのめり込むように観てしまいました。

 結局、カーチェイスや銃撃戦で盛り上げてしまうつもりなのか・・・などと、お決まりのパターンにうんざりなりがちでしたが、締めくくったのがフォレスト・ウィテカーだったことがうれしい。彼は警察に協力するなどと言いつつもわけのわからぬ一連の事件をビデオ撮影し続けていたので、家に帰って編集に専念してピューリッツァー賞でも狙うつもりなのかもしれません。

 主役はシークレット・サービスのデニス・クエイドなんでしょうけど、フォレスト・ウィテカーと少女、それにゾーイ・サルダナが好印象でした。スペインの俳優もカッコ良かったし、その上シガニー・ウィーバーまで使うという豪華な布陣なのに、鑑賞しやすい90分に収める大胆さ。なんだかお得感いっぱいなのに、貯まっていたポイントで観てしまった・・

kossy