「【今作は、過去の哀しき出来事を抱えた高校生男女の姿と共に、駅伝チームの激烈な練習と本戦を描く青春映画である。若き三浦春馬さん、上野樹里さん、綾野剛さん、柄本時生さん、ムッチャ足が速いです。ビックリ!】」奈緒子 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【今作は、過去の哀しき出来事を抱えた高校生男女の姿と共に、駅伝チームの激烈な練習と本戦を描く青春映画である。若き三浦春馬さん、上野樹里さん、綾野剛さん、柄本時生さん、ムッチャ足が速いです。ビックリ!】
■喘息の療養のため長崎県波切島を訪れた小学生の奈緒子は、走ることが大好きな小学生の雄介の走る姿を見る。だが、誤って海に落ちた奈緒子を助けようとした雄介の父が命を落としてしまう。
高校生になった二人。奈緒子(上野樹里)は天才ランナーに成長した雄介(三浦春馬)と偶然再会し、二人の哀しき関係を知る波切高校陸上部コーチの西浦(笑福亭鶴瓶)は、波切高校の夏合宿に奈緒子をマネージャーとして呼ぶのであった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り「駅伝」は、日本が産んだスポーツである。個人競技の陸上をチーム競技にした画期的なアイディアと、”襷を繋ぐ。”という、日本人が好きな要素を見事に織り込んだため、戦前から盛んになった競技であり、今や世界でも「EKIDEN」の名で知られている。
・スポーツ映画はどれも好きであるが、駅伝の個人競技且つ、襷を繋ぐというチームスポーツを併せ持つ構成は、映画向きだと今作を観ると、再認識するのである。
■今作の見所は、矢張り波切高校の駅伝チームの物凄い練習風景と長崎高校駅伝のシーンであろう。綾野剛さんが学生時代に陸上競技部のエースだった事は知っていたが、三浦春馬さん、上野樹里さん、柄本時生さん他、駅伝チーム選手を演じた役者さん達の走りっぷりが凄いのである。
一体、どれだけ、練習をしたのだろうか。少し前に「風が強く吹いている」を鑑賞した時に、林遣都さんのランニングフォームの美しさに驚いたが、今作の駅伝選手を演じた俳優さん達の走る姿も美しいのである。
・中々、雄介の速さについて行けなかったチームメイトたちが雄介に反発するシーンや脱落しそうになるシーン。”俺はお前が嫌いだ。けれどもそんな事を想う自分が一番嫌いだ。”と練習後に話す柄本時生さん演じる奥田や、一年生でキツイ練習について行けなかった吉崎(タモト清嵐)が坂登の一区に抜擢され根性で走るシーンや、途中点灯し腕を怪我した奥田が片手が動かない状態で走るシーンや、雄介とライバルの黒田(綾野剛:20代だが、流石体脂肪率一桁の男、走りっぷりも凄い。)がラストの5区で競るシーンもムネアツである。
<今作は、過去の哀しき出来事を抱えた高校生男女の姿と共に、駅伝チームの激烈な練習と苛烈な長崎県県大会の本戦を描く見応えある、青春駅伝映画なのである。>