「真の惨劇、乱暴が体現。」ランボー 最後の戦場 ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
真の惨劇、乱暴が体現。
これまた酷い評価を受けまくっている本作ですが、
ランボーもいよいよ最後か…と思うだけで懐かしく、
(反面、まだ終わってなかったのか!?と驚きつつ)
スタローンが「ロッキー」と同じく、今作を最終的に
〆ようと意気込んだ想いの丈が伝わってきます。
私にとってのスタローンは、なんといっても!?
ロッキー・バルボアさんでして、その後の今作には
公開当時、それほど興味が湧きませんでした。
そんな時友人に、これ面白いから!と観せられて^^;
彼の仕掛ける罠(今回も出ます!)が、確かに面白く、
ただ、そんな風にしか捉えられなかったのです。
彼の背後にあるもの。彼が抱えてきたもの。
ベトナムの後遺症が生んだ「怪物」の内なる叫びも
疎外感も、やがて英雄化していくエンタメアクション
くらいにしか感じられなかった…無知の極みですね^^;
あれから…歳をとり(汗)社会を知り(涙)そして現在、
世界で何が起きているかを痛感し始めて以降は、
彼の行動の意味と、あの眼差しが哀しくて堪らない。
彼がどれだけの間(正確には今作が公開されるまで?)
ずっとそんな状態だったのが信じられないけれど、
もっと信じられないのが、ミャンマーの惨状でした。
あそこまでやるこたぁない…と言ってる人も多いけど、
実際にはもっと酷いだろうことは目に見えています。
映像にのせれば映画的に見えるけど、そんな生易しい
現場ではなかろうこと…そして今やサイクロン被害も。
まるで殺人ゲームのように民族を虐殺していく光景は、
日本の街中で起こっている事件と被って見えてしまう。。
怖い!…怖くて堪らない。耐えられない。。
ランボーは個人的な理由が主で彼らを助けにいくが、
やれ国を背負ってナントカ、と能書きを垂れる連中より
よっぽど人間らしい!人道支援は確かに必要だけれど、
誰かがそれをする必要があるのも確かに分かるけれど、
安易な考えでそれを達成できる環境などではないことを
もっと学んでから行きやがれ!!素直にそう思いました。
…またランボーが、戦場に戻ってしまったじゃないの。
冒頭からラストまで、彼の目はうつろで精彩を欠き、
支援団の女性が話す「家族」についての話にだけ
唯一、輝きを取り戻した感がありました。
ランボー、原点に回帰。もう安らぎを求めていいと思う。
彼に安住の地が与えられることを、心より祈ります。
どうか幸せな老後をお過ごしください。お疲れさま!!
(彼の作品、上映時間の短さと単純な構成も私は好き^m^)