誰も守ってくれないのレビュー・感想・評価
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煮えきらないテーマに考えされられる。
刑事(佐藤浩市)と女子中学生(志田未来)の想いが交錯するなかストーリーが進む。現代のインターネットでの情報の流出の問題や、顔が見えないインターネットならではの、痛みを感じず、まるでゲームでもしているかのような行き過ぎたイタズラに振り回される。その辺りを色濃く反映した物語。
苦汁を飲まされ続けるがじっと我慢をし、それが運命だと言わんばかりに、命令に逆らえない刑事、佐藤。志田は、兄が人殺しをし、兄が逮捕された日に母親が自殺をしてしまう。父は、兄を勉強という檻に閉じ込め、志田はそんな父のことを嫌っている。というかなり暗く重いかせを背負わされ、更には恋人にまで裏切られるストーリーは、観ている側にも重苦しさを感じさせる。
その中で、凡人の刑事とのやり取りはなにか爽快感に欠ける。が、これがリアリティなのだとも思う。スカッとはしないが、どこか現実味を帯びているストーリーは、社会にひと石を投じるのにはちょうど良いと感じた。
警察が容疑者の家族を保護することに対する考え、対応がたんたんと、中立で描かれ、何が良い、悪いの話ではない。
ラスト、志田との心の繋がりが佐藤の明るい未来を暗示させるような終わり方は好感が持てる。
欲を言えば、柳葉敏郎と石田ゆり子の夫婦をもう少し丁寧に観たかった。過去、佐藤が関わった事件で我が子を亡くし、警察や容疑者、そしてその家族に対する熾烈な感情が描かれている。だが、少ないシーンでの表現になっており、怒ったり、悟ったように冷静になったり、許したり、とちょっとせわしない感じを受けた。良い芝居なのだが、そこは今回のテーマを真正面にとらえるため、深堀するわけにはいかないのだろう。都合上必要だからせわしなく踊ってもらったのかもしれないが、じっくりと見たかった。
テレビ屋が作った映画
志田ちゃんの演技が見たくて鑑賞。
役者もいい、題材もいい、なのにどこかチープな仕上がりに。
もっと深みが出るテーマな気がするのにそこに踏み込んだのに結局上辺をすくっただけのような。
テレビ局制作じゃないパターンを見てみたいなあと思ったもったいない作品でした。
あと音楽が頭からしばらく離れなくなりました。
やや過激に作りすぎている
殺人事件の加害者と被害者は絶対に相容れない。
今作は加害者側の家族を執拗に追い詰める現代社会と人間の醜さを描いている。
キャストの豪華さにも注目し、さらに宣伝が上手く期待膨らむ作品だったのだが、実際に見てみると期待通りとはいかなかった。
キャストに文句はないのだが、やや演出が過剰。明らかに逮捕者が出るクラスの軽犯罪が多々行われている。
すでに末期を迎えた日本のインターネット腐敗や、他者の尊厳を守れない感じられない鬼畜の描き方はなかなかに見応えがある。
そういう意味では見たいところをオブラートに包まず表現できていたので、一見の価値はある。
要は、殺人事件という重大事件で被害者側のプライバシーは保護されるのだが、加害者側はどうなのか? という問題だ。
個人的には、加害者の家族にはなんの責任もないと考えている。後ろ指を指される理由もなければ、賠償をする必要もないと思っている。
今作が全体的に正しいとは言えないが、一度見てみるのもいいだろう。
「社会のタブー」でくくって目を反らしてはいけない問題だ。
今作は戒めと社会風刺で出来ている。
鑑賞した夜、夢にまで出てくるほどの衝撃
感動しました。落涙もしました。が、靄が晴れない。
鑑賞日の夜、夢にまで、出てくるくらい、衝撃をうけた。
ホラー映画以外で、その日に見た映画が夢に出てくるなんてなかったのですが。。。
この作品も幾つか情報を知った上で鑑賞しました。
①『踊る大捜査線』取材の時に、こんなこともあるんです、とリサーチして映画化
②順撮り
③佐藤さん、志田さん。撮影中は意識して距離をおいていた
④ちょっと変わった撮影方法をとった。本当の表情が欲しくて、
志田さん、一部、本番待ちのときとか、素のときの表情を使った
⑤その他、ストーリーに関するエピソード(ネタバレになるので伏せます)
期待度MAX、期待するポイントも絞られているのに、
ここまで、心が響いたのですから、秀作に間違いはないです。
が、エンドロール中から、客電点灯しても、靄がはれない。
作品に圧倒されてるから訳わかんない。だから、すぐに帰らず、
しばらく劇場のロビーで気持ちの整理をしていました+靄の理由を知りたくて。
〈 犯人は戻ってきても、息子は戻ってこない 〉
靄の理由、行きついた先は、ここかと。
佐藤さん、志田さん、ともに一区切りをつけ、
とりあえず、ハッピーエンドのようなかたちで、二人の気持ちに踏ん切りはつきます。
でも、志田さんの家族に殺された少女は、もう家族のもとには戻ってこないんです。
その、被害者の心を、柳葉さん・石田さんご夫妻に代弁させたのでしょうが、それは、
やはり、あくまで代弁であって、本当の被害者家族にとっては、なにも解決していない。
ストーリー構成としては、しょうがないのでしょうが、
加害者・被害者がいるなか、どうしても一個人、人間としての倫理観で、
加害者だけが救われて、被害者の救いに、なにも触れられていないのが納得できない。
エンドロール中、どうして涙が出るのか、わけわかんないのに、泣き続けてたんです。
今ならわかるんです、被害者の家族がいたたまれなくて、涙が止まらなかったんですね。
音楽もいいです。
そして、やはり佐藤さん、志田さんありきの作品です。
オープニングで、音楽と映像にやられて、早々に泣いてましたからね。
これから、志田さんに、哀しい出来事が起こるのに、こんな満面の笑顔で、
哀しい哀しすぎるって。オープニングで、いきなり泣いてた奴、私だけだと思います(苦笑)。
監督、主役の佐藤さんを6ヶ月待って、撮影。
え~、主役の佐藤さん待ちをしていらっしゃる監督さんが、多数いるそうです。
心に傷を抱えてるのに、家族も守れないのに、他人を守る、
それも被害者でなく、加害者の家族を守る刑事。月並みな言葉で、
大変申し訳ないのですが“すごい”。これしか、みつかりません。
志田さん。彼女なしでも、この作品は成立しません。
★彡 ★彡
映像が揺れてて観にくいんだよ、とか
インターネットへの書き込みはやりすぎかな、とか
『ブラッディ・マンディ』に似たシーンあったなとか、
『リリィシュシュのすべて』に似たシーンあったなとか、
佐藤さんが、柳葉さんのところに、志田さんを連れて行くのはどうよとか、
こちらも、突っ込みどころはあるのですが、これはドキュメンタリーではなく、
映画なのですから、着眼点のよさと、役者さんの素晴らしい演技に免じて、
許してあげてください(“減点法”でなく、“加点法”でみてあげてください)。
夢にまで出てくるような、衝撃の体験をありがとうございました。
◆ ◆
【 補記 ~ネタバレ?かもしれないので、未見の人は飛ばして下さい~ 】
①映画を終え、ストーリーをもう一度さかのぼってみると、
志田さんが、あそこまで責められるのも、しょうがないかなと。
だって冒頭のシーンと終盤のシーン、リンクさせると、彼女も“○○”を
ついているわけですよね。でも、想像したくもないけど、自分も身内なら、
志田さんと同じ行動をするだろうな。
②志田さんと冨浦くんの関係
フジテレビドラマ『わたしたちの教科書』では、
冨浦くんがイジメで志田さんを自殺に追い込む。
そして、今作では・・・。これも、なにかのめぐりあわせなのかなぁ(苦笑)
誰も守ってくれない
冒頭でお母さんが自殺するシーンはとても考えさせられるものがあり、こういうことが日常の世界で日々行われているのかと思うとぞっとした!
本当に、人権というものについてもっと考えていかなければならないのではと感じた。人は勝手すぎる。
ギバちゃんいい味出してる
「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
「余命」
「誰も守ってくれない」
と候補がある中、
やっぱり、三国連太郎の息子が出てるので、
「少年メリケンサック」とのギャップをより楽しむ為に
「誰も守ってくれない」に決定
先日、同じような配役で前振りのドラマもやってましたね。
で、WMC大宮に行ったんですが、時間が会わない為、急いで、WMC浦和美園に移動
ストーリーは、未成年の兄が幼女殺人の犯人として逮捕され、家族はバラバラに、妹は刑事に保護されるというお話です。
考えさせられますよ。もし、家族が犯罪犯したらね~
例によって、ネタバラシになるので内容はそんなに書きませんが、
予想通り、落ちをつけるのがむずかしかったようです。ちょっとよわい。一生続くんだから落ちのつけようがないものね。
インターネットの掲示板とかを悪者にしています。おかしい人間達がやってる設定ですけど、実際にはごく普通の人なんですよね。掲示板で酷い事してるの。
実際には、殺人予告など入れるとすぐに本人が判明しますから。だめですよ。いたずらしちゃ。
佐藤浩市(刑事)
昔はただの野菜でしたが、最近、結構、いい味出してますよね。「マジックアワー」でも。
志田未来(犯人の妹)
テレビドラマで、お姉ちゃんに散々苛められてました。うちの子と同い年とは思えない。しっかりした演技
柳葉敏郎(ペンションのオーナー:3年前刑事が追っていた薬中の男に息子を殺された)
この映画でもいい味出してます。この映画で一番重要な役どころですからね。秋田訛りが取れないのがいいんだよね。前の会社の人が中学のときテニスのダブルス組んでたそうです。
佐々木蔵之介(記者)
この人の役、必要だったの?意味不明。いらん。もうちょっとマスコミ系をちゃんと表現できないのかな。監督が悪いのかな?
(この役者は好きです)
松田龍平(後輩刑事)
優作のむすこ なんか不思議な魅力?下手なんだかどうかわからんが変な味がある。そういえば、ジーパン刑事もそうだったな。
とりええず、この映画もお勧め映画です
主題歌が、医龍のAesthetic と似た曲です。菅野よう子のNHKスペシャルのとかこういう曲好きです
『Libera』
イギリス、サウスロンドンに住む7歳から18歳までの少年達のなかからオーディションにより選抜結成されたボーイ・ソプラノによるユニット。
現在までに映画「ハンニバル」のメインテーマの他、ビョークやエルトン・ジョン、パヴァロッティ、アレッド・ジョーンズなどアーティストのアルバムへの参加などで注目を集めてきたリベラ。孤高の美しさと純粋さを表現するコーラスが世界中のTOPクリエイター達からも絶賛されている。
だそうで少年合唱団じゃん
おじさんパワーの
メリケンサック楽しみ
不満は残るが素晴らしい
凶悪犯罪が後を絶たない昨今!メディアも事件その物を取りあげてはコメンテーターなる人が様々な分析をしては事件の背景を探ってくれる!
しかし、事件後に犯人やその関係者がどのような人生を歩む事になるのか、または歩んだのか?それを報道しようとするメディアは少ない!
私が日々知りたがっていたその後のストーリーを映画化してくれたのはこの上なく嬉しい!しかもその家族の中の妹に焦点を当てるアイデアは素晴らしい!
しかし、少々リアリティに欠ける場面が目立ったのが残念だ!
マスコミ連中の傍若無人ぶりや警察相手にカーチェイスは少々オーバーではないだろうか?警察の人間性に欠ける対応も非現実的だし、監督の思惑が見え透いてしまう。
ネットの炎上も暴力的過ぎてかなり大げさ!恋人の少年が取った裏切り行為は非現実的で理解に苦しむ!
監督の君塚良一氏がテレビ番組でリアルに描けば逆にリアリティが無くなる!オーバーな方がリアルだとコメントしていたが、映画を見た限り甚だ疑問に思ってします。
ただ、非常にデリケートで重い内容だけに短時間の映画では表現しきれないのかもしれないし、一般客はエンターテイメント性を持たせなけれべ喜んで貰えないのかもしれない!
重要なセリフもストレート過ぎて重みがなかったのではないだろうか?
個人的にはもっと深くデリケートな内容にして欲しかったというのが本音だ!
最後に俳優陣だが、主役の佐藤浩市の演技が素晴らしいのは勿論であるが、志田未来の迫真の演技はベテラン勢を凌駕するほど素晴らしかったと思う!まさにこの作品の柱になっていると感じてしまうのは私だけだろうか?松田龍平も良く知らなかったのだが、この作品を見るかぎり個性的でいい役者さんだと感心した。
作品に大きな不満は残るが、それを差し引いても十分に素晴らしいと思える作品であった!
私は君塚良一監督に今後更なる作品に期待せざるを得ない!
いつ自分に起きても不思議じゃない話。
公開前にオンエアがあったドラマを見ていたので
この作品がより分かりやすかったです。
我が人生に関わりある人間が犯罪者になった時
人生かなり変わってしまうんだと
怖くなりましたね。
まず、未成年であったとしても(犯罪者が)18歳くらいだと
実名で報道されてしまう可能性があり
取調べの前に親が離婚し、
また母親の旧姓で再婚するって手続きの鮮やかなこと。
妹も最初は本当にさっきまで全く警察ザタとか関係ない人生だったのに
180度変わってしまう自分の人生に
これからどうやって生きて行ったら良いのかと
途方にくれる気持ちも(本当には分からないけど)
少しばかり感じ取れた気がした。
母親なんかトイレで自殺しちゃうし…
母親!!!もっと頑張って生きて欲しかったね。
自分さえ、この状況から逃げれたらそれで良いの?
ラストで…それまで口を閉ざしていた妹が
犯人の兄について、事件の日の行動を話すんだけど…
外から帰ってきて…血のついた手とか洗ってたら・・・
(手だけじゃなく返り血浴びて全身血だらけだったんじゃない??)
しかも、幼い姉妹が殺された事件が近くで有ったりしたら
もしかして、兄が犯人なんじゃないか?って
全く思ってなかったのかな???と疑問が…
普通疑うと思うんだけど…
だとしたら…今まで加害者の妹だけど被害者なんだって顔してたあの子。。
一体、どういうつもりなの??ってとんでもない女だと思ったね。
結局、兄のことを母親にも相談せず
それって兄のことを黙っててあげ
警察がオバカで迷宮入りにでもなったら
一生黙ってるつもりだったってこと???
お兄ちゃんが父親に勉強を強いられ
人格が変わっていった過程を見てた訳だし…
兄が犯人で警察に引っ張られても
自分の人生は今までと何ら変わりなく過ごせるとでも
思っていたのか?
友達にしたって…犯人の妹となってしまえば
もう、悪いけど友達ではいたくないだろうし
(まだ中学生だから皆自分勝手だと思うし)
そこに救いを求めちゃダメだと思う。
彼氏のした行動も…中学生っていうまだ自分の人生に
責任なんて持ってない時期に
彼女の人生まで守るなんてこと
出来る訳無いのに…
彼に救いを求めてしまった彼女もまた幼かったってことか…
良い作品だとは思うけど…
TVドラマ見てなかったら、どうだったろう?
あれが有ってこその、この映画な気がしました。
ズドン!っと心に重しが・・・
かなり重たく難しいテーマ。
深く考えさせられる映画でした。
でも素晴らしい!早くも今年の心に残る映画の1つになりました。
旬なネタとして報道するマスコミ。
歯止めがかからないネット暴走。
私も以前、ある未成年犯罪者の画像が流出してると知ったことがありゾッ!っとしましたが
便利な世の中になる反面、益々プライバシーが保たれない現状。
特に日本人は家族連帯が強い傾向にあるので
身内に犯罪者がいたら、さぞ暮らしづらいでしょう・・・
でもその傍らに、もっと悲しんで辛い思いを虐げられている被害者の家族もいる訳で・・・
難しいですね(涙)
人間は常に大切な人と共に生き、大切な人と共に生活をしている。
一人一人そう責任を感じて人生を歩みたいものですね。
私の子供にも観せたい映画。
決して観て損はないと思います^^
1月28日109シネマズ高崎にて観賞
犯人の顔、1万円で買いますよ
映画「誰も守ってくれない」(君塚良一監督)から。
マスコミは、大事件が発生すると、
写真や映像をどこよりも先に入手したがるのはどうしてか?
犯人が若ければ若いほど、
中学・高校の卒業アルバムなどを求めて情報収集合戦が始まる。
その象徴として、今回、犯人宅の現場でマスコミが叫んだ一言を
私は、あえて取り上げてみた。
「犯人の顔、1万円で買いますよ」
マスコミが、犯人情報をお金で買うから、
素人が探偵ばりのことをするようになり、加熱することになる。
実は、私は今でも「実名報道」には反対である。
理由は、簡単「誰も得をしないから」。
それは、少年事件だけでなく、大人が起こす事件だって同じ。
民衆がそれを望んでいるから・・といっても、
やはり「野次馬」と大して変わらない気がするし・・。
殺人事件は、事実だけを伝えればいい、と思う。
どうせまた、違う大事件が起きれば、そちらに興味が移るのだから。
被害者や加害者の家族情報なんて、私はいらないし、欲しくない。
PS.
作品中「背筋が凍る」という台詞がキーワードのように使われるが、
「背筋が寒くなる」とは違うのだろうか?
恐怖などのためにぞっとする。身の毛がよだつような思いをする。
それともそれ以上の恐怖という意味だろうか?
ちょっと気になったフレーズである。
稀に見る駄作。
正直、つまんねえ。
話が単調&詰め込んだ感が強く、展開が読めすぎて萎える。
キャストはそれなりなのに、何だこれ。
全くもってお勧めできない。
このレベルなら、小中学生の道徳の授業で流す程度か。
親が守りたかったものとは。
この歳になるともう「誰も守ってくれない」どころか、
「誰も見向きもしてくれない」毎日であるが…^^;
その分、誰かを守らなければ。という責任の日々でもある。
今作を観ていて思ったのは、ことさら子供に対する親の責任。
厳しく育てればいいってもんじゃない。
自由にさせるのがいいってもんでもない。
最低限の社会ルールを教えると共に、自分がその手本となって
どんなに辛いことがあってもそれに耐えて生きていける強さと、
小さなことにも幸せを感じられるしなやかさを持たせることが
自分では大切だと思っている。(…できているかは別としてx)
勉強出来たところで人間はナンボ。心と身体の健康がまず第一。
だから今作のように、
加害者側も被害者側も「子供」だということは辛くて仕方がない。
マスコミや闇サイトの過剰反応も、最近では大いに問題だが、
そういう恐怖から守る以前に、もっとできたことがあっただろう?
(佐藤浩市刑事の過去ではないが、悔いても元には戻らない)
そんな事ばかりが頭でグルグルしてしまう内容であった。
昨今ではこういう事件が珍しくなくなった。
加害者宅も被害者宅も報道陣でいっぱい、TV各局が中継し、
過去の写真やビデオを流し、見ている側の怒りと哀しみを誘う。
誰がこんなに短時間で集めたんだ?と思うほどである。
その裏で、警察はこんな動きをしていたのか。勉強にはなった。
でもこれは「守る」という名目で「供述をとる」「証拠をあげる」
目的にも繋がっているわけで、べつに美談ということではない。
佐藤浩市&松田龍平は、これに先立って放送されたドラマでも
絶妙の演技を魅せており(こっちのが個人的には好きだった)
互いが抱える問題点を「背筋が凍る」と見事な表現をしていた。
でもいちばん心に残ったのは、
最後に二人が訪れるペンションのオーナー役だったギバちゃん。
我が子を失った親の哀しみを(言葉以外で)表現しつつ、
翌朝のキレる演技では、それを前面にぶちまけた。彼の後悔は
我が子を「自分(親)が守ってやれなかった」ことと
「警察がついていながら、守ってくれなかった」ことへの憤り。
加害者の妹を保護する立場の浩市刑事にぶちまけてしまうのは
理不尽だとしても、これこそは本当の親の理なんだと思った。
残念ながら、加害者側の家族には全くそれが感じられなかった。
というより、ほとんど描かれていなかったが…。
今時の中学生は、まぁ志田未来が演じてなくても^^;あれくらい
ふてぶてしく、生意気なもんだと思う。しかし自分自身を
ああやって出せているだけでも、まだ救いがあると私は思った。
「助けて」と叫んでいる兄の声に、どうして両親(せめて母親)が
気付いて守ってやれなかったのかと思うと、悔しくて涙が出た。
(いきんだら力をぬく。子供にも、いい呼吸法が必要な時代か。)
人の声を聞こう。
「手紙」に似ていることもあって新鮮味は薄いし,
重罪事件そのものと,
沙織の家族の扱いがおざなり。
展開が中途半端かつ単純で,
重みに欠けるのはたしかでも,
生きている者すべてに可能性のあるテーマを,
シンプルな筋書きで,力強く訴えたストーリーは,
希望のラストも含め,心に響いた。
シュミレーションのようなつくりのおかげで,
犯罪の抑止にも役立つと思う。
勝浦と沙織。
二人の戸惑いと葛藤,そして成長を,
自然な感情の機微で伝えた佐藤浩一&志田未来が素晴らしかった!!
取り上げた題材は良いのに
犯罪被害者の家族にも守られるべき人権があるはず、という狙いは良かったと思います。が、出てくる人物の描き方や、マスコミやネットで面白半分に個人攻撃をする人々への批判が中途半端な描かれ方で、所詮エンターテインメント畑の監督だなとちょっとがっかりしました。
加害者は一人ということ。
とても期待して見に行きました。
結論から言うとズシリと重い内容なのに見応えがあり満足できます!!
加害者の気持ち、犯罪被害にあった家族の心情、警察の意見、社会の反応など今のネット社会や犯罪低年齢化をうまく描いています。
未来ちゃんの映画はホント絶品!!!
加害者以外はみんな傷つき被害を受けるということ…とても考えさせられ学べる映画でした!!
誰が加害者か?
「犯罪者の家族を守る」という、これまで光が当てられなかったテーマを描いた秀作です。
脚本・監督は「踊る大捜査線」の君塚良一で、殺人犯の家族をマスコミや世間の攻撃から守る刑事・勝浦を佐藤浩市、犯人の妹・沙織を志田未来が熱演しています。
東野圭吾原作の「手紙」でも、犯罪者の家族が受ける被害や苦悩を描いていましたが、本作品のほうが事件直後の生々しい緊迫感や迫真力があります。
加害者,被害者,それぞれの家族,刑事、それぞれの立場の苦悩や、癒されない傷が交錯します。
どの立場の人間にも、どうしようもない痛みがあるのです。
それを理解できない人間たちが、偽物の“正義感”を振りかざし、不心得な好奇心で傷ついた人の心を無惨に踏みにじります。
あくどい新聞記者,不謹慎で残酷な大衆,信じていた人間の裏切りなどが、彼らをさらに窮地に追い込んでいくのです。
自分は何もしていないのに、次々と降りかかる災難と悲劇、15才の沙織にはとても受け止めることのできない激動です。
気丈な沙織ですが、志田未来の涙の訴えは峻烈に胸に迫り、涙を禁じ得ませんでした。
特に後半では、ネットの偏執的な書き込みによる、プライバシーの暴露や外野席からの糾弾を、荒々しい映像で畳みかけていきます。
自分たちは安全地帯にいて、無謀な攻撃を広げる傍若無人さは、人間の恐ろしい性(さが)です。
しかし、人のプライバシーを知りたい,悪い奴を必要以上に取っちめたいという気持ちは、誰の心にもあるのではないでしょうか。
そういう気持ちが、マスコミやネットの暴走を招く要因になっていると思います。
これは日本で起きている現実です。
我々自身も戒めなければならないことではないでしょうか。
家族が罪を犯したばかりに、いつまでも激しく付きまとう中傷や嫌がらせ。
そのために自殺してしまう家族もいます。
しかし警察はそれを公に認めず、マスコミも取り上げてきませんでした。
恐らくこれは人知れず沢山起きている悲劇でしょう。
そこに着目し、サスペンスフルな人間ドラマに仕上げた、君塚良一の意欲と手腕に敬服します。
考えさせられる
未成年による凶悪犯罪が起こった時、私は、大抵傍観者。
この映画を見て、いっぱい考えさせられたけど、もし、自分が加害者の身近な人物だったら、加害者家族と普通に接することができるかな?兄弟とかと結婚はできないだろうなぁ・・って言うの正直な所。でも、マスコミ、ネットに踊らされないようにしなければ!
特に未成年の方に観て頂きたい作品です。
凶悪な犯罪で人の命が奪われた時、
私たちは犯人に大きな憤りを覚えます。
何故彼は、彼女は命を奪われなければいけなかったのか。
何故彼は、彼女は人を殺めなければならなかったのか。
その背後にあるものを探そうとして、
私たちは加害者の育った環境にその原因を求めようとします。
そして加害者を育んだ家庭、家族にまで、
憎しみの矛先を向けてしまう・・・。
犯した罪が大きければ大きいほど、
行き場の無い憤りが彼らに向かうのです。
そして、テレビカメラに向かって謝罪する加害者の家族の姿を、
幾度と無く私たちは観てきました。
「ある日、自分が突然加害者の家族になってしまったら・・・。」
この映画は私たちの「視線の反対側」から
犯罪者とその家族を描いています。
家族の一人の人格の崩壊。
その微かな兆し、サインを見逃したために、
ある日突然家族が崩壊します。
捜査令状と言う一枚の紙が、
ひとつの家族の運命を一変させるのです。
様々な手続きが次々と事務的に進められていく中で、
加害者の家族達は自分たちが衆目の監視の中に置かれたこと、
その日を境に完全に世間から孤立したこと、
昨日まで住んでいた世界には二度と戻ることができなくなったことを、
少しずつ悟っていきます。
家族を犯罪者として壁の向こうに失う悲しみと衝撃以上の、
苦しみと痛みが自分たちを直撃する・・・。
一瞬にして地獄に落ちていく加害者家族の苦しみが、
まるで我がことのようにちくちくと心を刺します。
たった一瞬にして、こうも簡単幸せは崩れ去るのかと。
昨日までそこにあったささやかな家族団欄さえも
二度と手の届かない場所へ行ってしまうのかと。
主人公は加害者の妹、しかも中学生です。
彼女にははまだ先の長い一生が残されています。
若く未熟な彼女に背負わされた十字架はあまりに重い・・・。
しかも彼女が背負わされたのは、
自らの罪を贖うためのものではなく、
家族の罪を贖うための十字架です。
誰が彼女にそのような十字架を背負わすことの出来る権利を持つのか。
あまりに理不尽であまりに惨い世間の仕打ち。
しかし、今まで私たちは無意識のうちに
多くの「彼女たち」や「彼ら」を生み出して来ていたのです。
この映画を観るまで意識の無いまま、
加害者の家族に対して抱いていた「思い」。
それがどのような形で彼らを襲っていたのか、苦しめていたのか、
主人公の少女の目線で物語を追ううちに、
胸が苦しくなるほどの思いで彼女の痛みを疑似体験しました。
また、その他にも、
加害者の家族に対して如何なる法的手続きが取られるのか、
彼らを保護する組織の存在やマスコミ・メディア・ネットの功罪など、
今まで知らなかったことをこの映画で沢山発見しました。
単に加害者側からの視点で語るだけでは無く、
映画では少女を保護する刑事や、
犯罪被害者の家族の視点でも物語を描いています。
それぞれの立場に立って物を見たとき、
私たちは何をどう感じるのでしょうか。
何をどう感じることが出来るようになるのでしょうか。
完成披露試写会で鑑賞し既に2週間以上経っていますが、
未だに心に鉛を飲み込んだように重く圧し掛かるものを感じています。
様々な事を考えさせてくれた作品です。
今は、出来れば小学校高学年から高校生までの間の年代の人たちに、
観てもらいたい作品だと思っています。
「自分が犯した過ちが如何なる結果を家族の上にも自分の上にも導くか。」
想像力の無い人たちには特にこの現実を突きつけて観てもらいたい。
そうすれば、多少の犯罪の抑止力にはなるのではないでしょうか。
「踊る大捜査線」の監督・スタッフが、
「踊る~」では描くことの出来なかった
「警察」や「報道」の裏側を描いてみたくて作った作品だそうです。
娯楽に徹した全作とは全く違うアプローチで描かれた作品ですが、
今の時代が必要とする内容の作品だと思います。
ここでの観たい度が1.6点と低いことはとても残念です。
重い内容の作品ですが、ぜひ多くの方に観ていただきたい作品です。
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