「そんな女は雇ってないぞ」やわらかい手 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
そんな女は雇ってないぞ
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映画「やわらかい手」(サム・ガルバルスキ監督)から。
幼い孫を助けたい一心で飛び込んだ未知の世界で
新たな人生を見つける初老の女性を演じるハートフル・ドラマ。
うん、その未知の世界が、大変な世界であった。
なんと「性風俗店」、それもタイトルから想像して欲しい。
「手のひらのイリーナ」(IRINA PALM)として、大人気となるが、
本人は、自分のことを「年増でサエない中年女」と称する。
しかし、その店のオーナーは、彼女の魅力を認めながら、呟く。
「そんな女は雇ってないぞ」
(おまえは、年増でサエない中年女なんかじゃないよ)の意味を込め。
この言葉で、彼女は輝きを増していく。
彼女の人生にとって、重要なキーワードだったな・・と、
物語全体を振り返ってみても、そう感じるシーンである。
もう1つ、この台詞もインパクトがあった。
店のオーナーが、冒頭、性風俗の世界に戸惑う彼女に諭すシーン。
「客は、女の感触を求めてやってくる。わかるか?」
そう、手だけで、女の感触を伝えるのは、天性のものに違いない。
テクニックだけでは、そうはいかないことを承知で、語った。
そして、お気に入りのラストシーン、その後のシーンはなく、
お互い惹かれ合った2人の無言の「キスシーン」で終わる。
う〜ン、久しぶりに、素敵な終わり方だった。
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