「“23”が本作品で一番被害者だった気が・・・」ナンバー23 平田 一さんの映画レビュー(感想・評価)
“23”が本作品で一番被害者だった気が・・・
観客への需要どころか、映画ファンが求め欲する要素イチイチ空振りだった。数字の持つ”魔性性”とかジム・キャリーの”シリアス演技”、”罪”と”贖罪”がテーマのドラマ…それをいかにミステリーで紡いでくかが見所なのに、ぜんぶ見事に台無しだったし、あまりにこじつけすぎてたなぁ…
そもそも主役ジム・キャリーのセクシー場面は一体誰得?一番本領発揮するのコメディ(例上げるならやっぱ『マスク』)かドラマ(『マン・オン・ザ・ムーン』)だし、この手のサイコ・スリラーにはあんまし向いてない気がする。タトゥーやらセックスとか求めてないの延々見せられ、結局ラストも消化不良な落とし方でどうもイマイチ。やっぱ主役の”俺は正しい”主張って当てにならんねこりゃ(どうせだったら自分自身も疑いながら謎を追うとか、レオの『シャッターアイランド』ばりの深い展開欲しかった)。
あとさ時々SMプレイ的場面挿入されるけど、これって数字が絡む話だよねと幾度確認したか(苦笑)ファブリッツアとフィンガリングに、ウォルターと生前のローラ。二組分のプレイ模様を見せられてもねぇ、何かさぁ…。”それほんとに必要なの?”って感じちゃうからついていけない。ダークサイドを描くために仮に必要だとしても、なんでそれがSMプレイに行き着くんだ?と思うしかない。だってほんと申し訳ないが、要らないもん。この一連。
一応テーマに沿ったラストは用意してるしそれは良いけど、だとしても削れる要素があまりにゴロゴロ転がり過ぎ。暗く依存性の強いミステリーが見たかったのに(あと人間ドラマね)、いらんセクシュアルパートとかがとにかく邪魔で見にくかった。監督嫌いじゃないんだけどさ、これはダメだね。失敗作!『ヒストリー・オブ・バイオレンス』事前に見とけば良かったかもよ!
最後:数字の関連性、ああいう流れは無理あるよ!!