大いなる陰謀のレビュー・感想・評価
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マスコミ、政治家、国民
政治記者と議員、ある大学教授とその教え子たちのストーリーが交互に映し出され、ある軍事作戦が一日のうちに決行され失敗に終わる。
優秀だけど学費に困る黒人の大学生2人と裕福な家庭に生まれ育って大学生活を謳歌していた学生。黒人の学生は志願して軍隊に入るが、早速その若手政治家の考えた作戦に加わってしまい、その途中でヘリから落下し身動きが取れなくなった。
安全な場所で人の命が関わる作戦を考える政治家にとって、軍人の命は駒みたいなもので少々の犠牲は仕方ないくらいにしか思っていない。
悪い政治家に嫌気がさして政治に無関心になっている国民に警鐘を鳴らす映画だと思った。
マスコミを利用したい政治家、視聴率を稼ぎたいマスコミ、どこの国も同じなんだなぁ。
この映画を観て少しでも政治に関心を持つ若者が増えてくる事を願う。
急に終わるし
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教授のロバートが素質を買っている2人の生徒がいた。
彼らはロバートの静止を振り切って正義のために戦地へ赴き、戦死。
ロバートは現在また別の生徒を買っていて、2人の話を聞かせる。
そうこうしてるうちに急に終わる。
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終わったとき、えっ?ってなった。何が言いたかったのか?
複数の時系列の違う話が並行に進行するんやが、今ひとつ関係が不明。
2人の生徒が優秀なプレゼンをしてロバートに買われるまでのシーン、
彼らが戦地で敵に囲まれてそのまま戦死するまでのシーン、
この軍事作戦を議員のトムが記者に説明する一連のシーン、
そして教授が現在、生徒に話をするシーン。
アフガンやイランイラクの話が出ていたし、ブッシュの写真も出ていた。
内容からしてもおそらく事実もしくはそれに近い話だろう。
それを問題提起するのが目的の映画?あんまり面白くは無かった。
問題提起映画
現状のアメリカの若者の政治的無関心にマイケル・ムーア流とは違った知的なアプローチで一石を投じたかったのでしょう、レッドフォードが製作・監督・出演と大変な思い入れです。
ただ、邦題の「大いなる陰謀」や豪華出演陣から壮大なポリティカル・サスペンスを想像しましたが混迷の現代社会に対する問題提起を行う会話劇、答えは皆さんで考えてくださいという結末ですので映画化の意義は別として、楽しめる部類の映画ではありません。
9.11を契機としホワイトハウスとメディアが起こしたイラク戦争を背景として、形骸化したジャーナリズム、相も変わらず国威高揚を唱える共和党の若き上院議員、若者の政治離れに悩む政治学の教授の熱意が仇になる様などがシニカルに描かれる。
原題のLions for Lambsは「臆病な子羊に操られるライオンは恐れるに足らない」と言ったアレキサンダー大王の格言から派生しているのだろう、上院議員の部屋にはセオドア・ルーズベルトの「平和と正義を選ぶなら私は迷わず正義をとる」といった書が飾られていた、歴史は勝者によって書き換えられるものでもある、今更ながら難問を突きつけられてしまった映画でした。
私が重視するのは、成績ではなく将来性だ
映画「大いなる陰謀」(ロバート・レッドフォード監督)から。
大学教授役のロバート・レッドフォードが、呟く。
「私が重視するのは、成績ではなく将来性だ」
現在の成績ではなく、この学生は将来伸びるかどうか、
そんなことを重視しながら教えている、と言いたそうだった。
今の世の中、会社によっては「昇進」のための試験がある。
しかし、それは「現段階の成績」を比較しているに過ぎないし、
試験ではわからない可能性は、加味されることはない。
その将来性、可能性を見極めるのが、登用する側の先見性だろう。
ただ、この台詞とは対照的なフレーズもメモをした。
「将来性、可能性は、気まぐれだ」
なるほどなぁ、それも事実だ、と暗闇の中でメモしながら苦笑い。
何を重視するのか、それはトップの考え方次第だな。
古今東西、今もなお結論が出ない問題だけど、
その結論の成果は10年後、20年後に出るところに面白みがある。
さて・・あなたの職場は?
ドキュメンタリーでやればいい
傲慢路線を突き進んできた自国アメリカへの反省映画。
そして思考停止をする若者への説教もたっぷり。
この数年、アメリカがアフガンなどに行ってきたことの総括をしたい人なら観ても発見があるかもしれないが、ある程度の知識がある人なら退屈な説教くさい映画でしかないだろう。
根本的に「映画としてのおもしろさ」に欠けている。かといって、新しい”反省の切り口”があるわけでもなく、これならノンフィクションの書籍を読んだほうがずっといい。
若者の観客には反発されるだけだろう。
ストーリーもつまらない。
大いなるレッドフォード。
R・レッドフォードという偉大なる民主権力によるお説教と
とるか、米国の裏戦術が分かる素晴らしいサスペンスだと
とるか、観る人によって様々な反応が期待できる映画ですが、
…地味です。かなり、地味^^;
戦闘機ビュンビュ~ンの内容は期待していませんでしたが、
予告を観る限りでは、ちょっと違う内容を予想していました。
でも従来の彼の作品が好きなら、これも大丈夫かな。
舞台は三場面から構成されており、
T・クルーズ演じる共和党の次期リーダー(巧い!)と、
テレビジャーナリスト役のM・ストリープとの緊迫の対話。
次に、頭がいいのに怠惰な学生と大学教授との対話。
そして対話の中で登場する優秀な二人の学生が、
やがて軍に志願し、現地で起こる実際の戦いを描きます。
どこをとっても、これでもかこれでもかと機知に富んだ
台詞が飛び交い、さすがレッドフォード!という感じです。
今回の「攻撃」そのものは「台詞の応酬」かもしれません。
特に、野心に満ちて人間性を失いつつある政治家を、
自信満々の表情で演じたT・クルーズは良かった。彼の言う
(政治的な表現はよく分からないけど^^;)米国の未来とは、
真の平和とは言い難く、が、そうしなければどうするんだ?
誰がテロを終わらせるんだ!?なんていう、まるで自分が
使命を帯びたかのように朗々と捲くし立てるその態度をみて、
かつて彼を「若手のホープだ!」と絶賛していた自分を
振り返る記者。あの頃の彼には違う理想が見えたのに…。
次に描かれる学生X大学教授との対話においても、
昔と今の政治に対する興味の差、無関心をあげ連ねて、
未来を担うはずだった優秀な学生たちが戦場へ旅立ち、
残った優秀な頭脳は、考えることさえ放棄している現状。
それを憂いている自分をみた学生に、逆ツッコミされる。
「じゃあ先生は、有意義な人生を歩んでいるのか?」
あー。なんだかまるで自分に言われているようでした。
これは誰しも当てはまることなんだな、と。
平和や安全からかけ離れた現実を「否」と分かっても
何かを懸けて闘おうとまでは思わない。どうせムダだ。
そういう無関心がいけないのは分かっていても、
アツくなれない世代が疲れてしまった自分なのかなと。
でも、もちろん「戦争」に加担するのは由とは思いません!
レッドフォード節、健在でした^^;
(トム、こういう役もお似合いね。昔のアイスマンみたい^^;)
大いなる陰謀
レッドフォード先生に叱られるなまくら学生と同化している自分が怖い。
「くだらない政治家に興味はない。個人の楽しい生活を目指してどこが悪い」「先生、まさか入隊を勧めているんじゃないでしょうね。」こういう言葉は、まさに自分の本音。先生の鼓舞激励によってもなかなか動かされそうもなくずっしりと居座った安定志向、困難回避、他者への無関心・・・この映画が目指すところは、思いのほか遠い地点にある。
9.11の現地アメリカでさえ、レッドフォードが危機感を持って呼びかけるほど無関心が進行している。ましてや、テロはよその事、と考えている日本人にとっては、それこそ時々映画で見る、スクリーンの向こうの世界。映画の出来について、つっこむことはできるが、それ以前にこの映画の突きつけたものの大きさだけは意識しないといけない、と思った。
こんな大きなテーマを、ディベートの形で映画化するなんて、前代未聞。たとえば、「12人の怒れる男たち」も、ディベート・ドラマといえるだろうが、あれは、一人の被告が無実かどうか、に焦点を絞って、陪審員それぞれの人生を投影していく、という、単純明快さがあった。こちらは、戦争を含む社会と個人の関わりかた、というとてつもなく大きなテーマでのディベート。これで映画をつくろうなんて殆ど蛮勇だよ。でも、それをあそこまでまとめ上げた監督や脚本家は偉い!尊敬に値しますよ。そして素晴らしい演技力で、現実味にあふれる作品にした俳優陣も。
特にいつもと違うトムは見ごたえがあった。優しくて、ずるくて、しれっと本音を口にする、虚実が薄紙1枚の表・裏をいったりきたりする人物。善人のふりをする悪人という単純なものではない、奥行きのある演技が良かった。
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