「段々と面白くなる」アメリカン・ギャングスター 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
段々と面白くなる
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前半は思った程面白みが無く、「どーしたんだ、リドリー・スコット?」と思っていたら、マフィアの大物の屋敷で半ば見下され、1970年代当時のベトナム戦争を背景に、やがて軍を味方に率いれのし上がって行く。この男の姿を通し、泥沼に嵌って行くアメリカ国内の無力感を浮き上がらせて段々面白くなって来る。
「マフィアが100年かかって出来無かったのに、黒人に出来る訳ない。」と言わせ、当時の差別意識が殊更強かった事も伺えます。
「目立つな!」と弟達に言い聞かせていたのに、自らの小さな過ちからその存在が捜査線上に浮き上がってしまい、自分自身に怒りながら毛○のコートを焼く辺りから映画全体が、うねりを持って走りだす。そこまで待てない人には若干苦しい部分もありますね。
街中や、パーティー中でいきなり拳銃をぶっ放したりと、慎重なのに切れやすい性格を演じるデンゼル・ワシントンのキャラクターにはそれなりの説得力があります。対するラッセル・クロウは時には卑屈になる面もあるのに、芯の部分では絶対に曲げない性格。前半と後半で性格がやや変わっている感じになっているのは多少違和感を感じました。
リドリー・スコットの演出は、何となくシドニー・ルメットの『Q&A』辺りを意識している様に感じましたが果たしてどうなんでしょう?
どうでも良いのですが、最後のワンカットは要らないなぁ。
(2008年2月12日 日劇1)
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