劇場公開日 2006年6月3日

「ライアン演じるワケあり役が好きです」ステイ crisさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ライアン演じるワケあり役が好きです

2024年8月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

正直なところ、よくわからなかったところが多々ある。
でも「どういうことなんだろう?」と引き込まれていたし、
それをスッキリしたくて最後まで見入った、という感じ。

とはいえ最後まで見てもスッキリしないところがあったので、助けを求めるように解説・考察記事を読んだ。
ふむふむ、なるほど。
かんったんに片づけるのであれば「走馬灯」
死に際にどんな映像を見るかなんて、誰も知らない。
この作品のように、夢か現実か、わからないようなものを見るのかもしれない。
「死に際には走馬灯を見る」=「今までの思い出の映像が一気に駆け抜ける」と言われているけれども、
フォトアルバムをめくるようなほんわか平和なものとは限らず、
支離滅裂で、ぐにゃぐにゃで、嫌な思い出がホラーテイストとなってドドドっと押し寄せるパターンもあるかもしれない。

今作は、ライアン演じるヘンリーの走馬灯なのに、ユアン演じる精神科医のサム目線だったところが混乱の要因だ。
かといって、ヘンリーの目線のヘンリー走馬灯だと、シンプルすぎて
今作のような奇妙さ、不思議さ、異空間な雰囲気は出なかったかもしれない。

最初は登場人物の関係性をちゃんと汲み取ろうと必死だったけど、
その必要はなかったんだな、と。
あまり意味や、関係性を考えちゃいけないのかもしれない。
だって、夢の中で起きることって現実のようなんだけど、なーんか変だし理屈じゃないし。あの場面の切り替わり方も、夢の中ってあんな感じに支離滅裂だったりする。
なんでここ?
なんでこの人?
みたいなこと、起きるし。
死んだはずの人やペットが生きてる夢、見たことあるけど
「あれ?死んだんじゃなかったの?ああでも会えて嬉しい。死んでなかったんだー!」って思った。不思議なんだけど、スッと受け入れたりする。

そういう、夢の世界に近い空間を見ていたのだ今作は。と思えば、
あとあと納得がいった。

若ライアン。彼を見るために見ました。
過去のライアンはこういう暗めな役、なにか事情がある系の役をたくさんやってる。でもとても惹きつけられてしまう。引き込まれる。
なんであんな目ができるんだろう。
何もかもに希望が持てないような、遠い目。佇まい。

・序盤の方、「自殺するんだ」って頭にピストルで打つジェスチャーライアン、何回か巻き戻した。
・ラストの方、ピストルを口に咥える瞬間ライアン、迫真の演技。あんまり見たことないライアンだった。

「Stay」
留まる、〜のままでいる、持ち堪える、とか。
最後の方は「Stay with me」「Stay there」とか多用していた。
いろんな熟語あるだろうけど、いろんな意味を含んでるということで逆にシンプル「Stay」にしたんだろうか。
とか、ごちゃごちゃ考えたな〜

久しぶりにこういうテイストのやつ見たな〜
「夢か現実かわからない」と劇中も多用していたけど
ほーんと、現実っぽい話でもあり、SF感もあり。その狭間な感覚。

cris