劇場公開日 2006年4月29日

夜よ、こんにちはのレビュー・感想・評価

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4.0そんなものはクレイジーダイヤモンドに過ぎないのだ

2020年8月21日
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鑑賞方法:DVD/BD

1978年にイタリアで実際にあった事件の映画化 日本における連合赤軍事件に相当するインパクトがあった事件だ 赤い旅団といえば、日本赤軍と並ぶその世界では泣く子も黙る老舗のイタリアの過激派 過激派とは、今の言葉でいえば極左テロリスト集団こと 題名は、ある登場人物が書いているシナリオのタイトル 劇中でエメリー・ディキンソンの詩だと説明がある 彼女は19世紀初頭を生きたアメリカ人女性 英題はGood Morning, Midnight イタリア語ではBuongiorno, notte この文字が黒地に赤文字で大きく写される 本作のタイトルだから、冒頭に? 違う クライマックスのモロ元首相の殺害の直前にだ 真夜中の時代の訪れ それは死に行く元首相の命のことではない イタリアの左翼テロ集団は大衆の支持を失い孤立し、過激な左翼運動は暗黒時代を迎えるのだと言う意味だ プログレッシブロックの巨人ピンクフロイドの音楽が要所で劇伴として極めて効果的に使用される 虚しく、狂気にかられ死んでいった仲間に贈る歌 Shine On You Crazy Diamondだ イタリアにおける過激な左翼運動はこのように死んで行ったのだ それを真正面から捉えている 本作は2003年の公開 何故1978年の25年も昔の事件が映画化されたのだろうか? それは赤い旅団が1999年以降活動を再開し、暗殺事件などを続発させたのだ その犯人達が次々と逮捕されのが2003年のこと 団塊左翼老人はイタリアでもいるらしい そして老人達に洗脳され利用された可哀想な若者達も つまりこんな馬鹿げたことはもう止めろという痛烈な批判なのだ こんなものは如何に糊塗しようが、美化しようが、正当化しようが、間違っているものは間違っていると本作は主張してブレていない 彼らに取ってどんなに崇高な理想でも、そんなものはクレイジーダイヤモンドに過ぎないのだ

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あき240