ナニー・マクフィーの魔法のステッキのレビュー・感想・評価
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醜悪
英国で人気の児童文学の映画化だと言うが、子供たちを出汁に使って不甲斐ない大人たちを虚仮にする寓話でした。
しつけを魔女に頼る理由づけなのだろうが、冒頭から度を越した子供たちの悪戯ぶりが描かれる、赤ん坊を鍋に入れるなど、最早いたずらの一線を越える悪ふざけ。
依存心の高い父親のダメさ加減もうんざり、終始、金の心配と泣き言ばかり、しつけは乳母にまかせきりでは親とも呼べません。
メリーポピンズやサウンドオブミュージックに似た話だが爽やかさは微塵もない、偽悪趣味的なキャラ設定や扮装は頂けない、ご婦人方の醜悪さ、エマトンプソンの特殊メークはやりすぎでしょう・・。
「セキュリティ・ソフトは何を使ってる?なにー?!マカフィー?」という会話がネット上でしばしば聞かれたあの頃。ちなみに、“ナニー”の意味も知らなかった・・・(汗)
チラシを見ると、“『メリーポピンズ』に次ぐイギリス生まれの心温まるニューファンタジー”と謳ってあった。たしかに家庭教師が魔法使いという点では同じですが、いたずらっ子の7人兄弟という点では『サウンド・オブ・ミュージック』であろうし、エヴァンジェリン(ケリー・マクドナルド)の作法や発音の矯正なんて『マイ・フェア・レディ』なのかもしれません。クライマックスでのパイ投げなど、数々のコメディ映画へのオマージュも感じられ、とても懐かしい気分にさせられました。そういえば、ブラウン家の主人(コリン・ファース)は葬儀社勤務でしたけど、まさか『オリバー・ツイスト』まで視野に入れたのではないでしょうね。『バタリアン』じゃないでしょうし。また、1ヶ月以内に結婚!というのは『プロポーズ』か?
私事ですが、この映画を鑑賞しているときにも飲食物で音を立てている不愉快なお客さんが多かった。思わず「レッスン1:鑑賞中、音は立てない」などと言ってあげたくなってきました。もちろん決め手は杖でドンッ!とやりたかったのですが、あいにく傘を持っていなかったので未遂に終わりました。しかし、ミミズを食べるシーン(スクワームかよ!?)からは静かになりましたね~最初から最後まで食べまくっている迷惑な客のために、映画には今後ともグロいシーンを必ず用意してもらいたいものです。
ストーリーはお子様向けのファンタジーだとばかり思っていたので、こんなに泣かされるとは予想できませんでした。とにかくケリー・マクドナルドの初々しさにやられてしまったのです。イメルダ・スタウントンなんていう名女優だって脇役にしてしまう贅沢な布陣だったし、エマ・トンプソンがかすんで見えてしまうくらいでした。そして動物の名演技。笑うロバとかカラフルな羊がすごい・・・今年の干支は羊なのか?
【2006年4月映画館にて】
がんばれパパファース
「ロイヤルセブンティーン」のパパとはまるで真逆の頼りないパパファースがとても楽しかった。
色使いもファンタジックで(あの緑を着こなすコリンは素敵です。)ラストは真っ白というのもすっきり感につながったかなと。
「惜しまれても必要なくなったらお別れ」というのも、そろそろ子離れしたくてはいけない自分には響きました。
ファンタジー映画の中でもなかなか
この映画はいかにも子ども向けというファンタジーではなく、高校生の私でも楽しめる作品だ。まず、アカデミー賞俳優のコリン・ファースが演じるダメダメな父親。そして同じくアカデミー賞女優のエマ・トンプソンが演じる怖いけど優しいナニー・マクフィー。この二人の演技が素晴らしい!そして子ども達の演技もいかにも悪ガキらしくて好感が持てる。サイモン役は今も人気のトーマス・ザングスターだ。
悪ガキ6人とナニー・マクフィーの戦い。一人一人が手のつけようがないが最後は親の言うことも聞くような素晴らしい子どもになっている。それはナニー・マクフィーの魔法ではない。
最後の雪の中での結婚式のシーンが印象的である。
今の子ども達にぜひ見て欲しい作品だ。
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