「杖を捨てて何故感動したのかよく分かってない」家の鍵 wutangさんの映画レビュー(感想・評価)
杖を捨てて何故感動したのかよく分かってない
障がいを持った子と、かつて彼と向き合う事から逃げた父親による物語。
そもそも家族と正面から向き合うというのは、なかなか自分に満点をつけられる人のいない意外にも難しい事で、それを浮き彫りにしつつも、悲観的になりすぎない、一定の温かみを持った作品。
個人的には、父が杖を海に捨て、息子が「イカれてる!!」と爆笑するシーンが、理由のよく分からない琴線に触れ、この映画の点数を大幅に上げた。
おせっかいがすぎるところもありながら、決してダメダメな父親にデフォルメされているわけではなく、
むしろかつて子との関係を放棄した事を真摯に反省しながらも、イライラしたり泣いちゃったりする、ちょうどリアルな父親の姿は、特異な環境と言えど共感できるものだった。
そして、パオロの演技は群を抜いていたと思う。
コメントする