「欲望と愛欲の渦巻く西部劇」無頼の谷 Gustav (グスタフ)さんの映画レビュー(感想・評価)
欲望と愛欲の渦巻く西部劇
婚約者を殺された男が復讐を誓い、辿り着いた女主の牧場で繰り広げられる欲望と愛欲の渦巻く人間ドラマの西部劇。48歳の ディートリッヒのスター人生最後の主演映画ながら、低予算で作られた映画会社主導の消化作品と思われる。しかし、フリッツ・ラング監督の正攻法の演出が素晴らしく、一見の価値があり興味深く見た。これを、当時人気の若手スターとベテランの演技派で周りを固めたならば、演出と演技のバランスのよい重厚な作品になったと思う。勧善懲悪一辺倒な通常西部劇とは趣を異にする脚本の面白さ、ラング監督の演出、デートリッヒの存在感を味わう。
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