愛されるために、ここにいる

劇場公開日:

解説

人生に疲れ果てた男とどこか満たされない女が、タンゴのペアを組んだことから、二人の人生が交差するラブ・ストーリー。監督・脚本は、1999年に「Le bleu des villes」(未)でカンヌ映画祭『監督週間』部門に選出されたステファヌ・ブリゼ。出演は「読書する女」のパトリック・シェネ、「灯台守の恋」のアンヌ・コンシニ、「かくも長き不在」のジョルジュ・ウィルソン。

2005年製作/93分/フランス
原題または英題:Je Ne Suis Pas La Pour Etre Aime
配給:セテラ・インターナショナル
劇場公開日:2006年12月16日

ストーリー

50歳を過ぎたジャン=クロード(パトリック・シェネ)は、父親から継いだ、人情を殺して裁判所の決定を伝える執行官の仕事を長年続け、心身ともに疲れている。彼のオフィスの窓からはタンゴ教室の様子が見え、タンゴのメロディが聞こえてくる。毎週末に彼は老人ホームにいる高齢の父(ジョルジュ・ウィルソン)を訪ねている。しかし気難しい父親からはいつも文句ばかり聞かされている。ある日、医師から何か運動を、と勧められたジャン=クロードは思い切ってタンゴ教室に入ってみた。そこには、数週間後に控えた自身の結婚式でタンゴを踊るためにレッスンを受けに来たフランソワーズ(アンヌ・コンシニ)がいた。偶然ジャン=クロードの車で送ってもらったフランソワーズは、車の中の忘れ物を受取りに彼の家に行く。タンゴのステップをうまく踏めないジャン=クロードは、彼女にレッスンしてもらう。頬と頬が触れ合う程そばで踊るうちに、お互いの気持ちが高揚するのを感じる二人。ある夜タンゴのステージを観た帰り、お別れのキスから抑えられない熱いキスを交わすのだった。しかし偶然から、ジャン=クローズは彼女の結婚のことを知る。彼女は彼に何も話していなかった。事実を知ったジャン=クロードは彼女の説明も聞かず去る。数日後フランソワーズは、ジャン=クロードのオフィスを訪れ、結婚することを黙っていたことを詫びた。自分はマリッジ・ブルーなのだと説明し、友達でいようと言うも、ジャン=クロードは彼女を冷たく拒絶。各々に空しい日々を過ごす二人。ジャン=クロードは、ある日、秘書の女性(アンヌ・ブノワ)から、彼女が言ったことは本心ではないと助言され、驚くのだった……。

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映画レビュー

5.0「恋は、遠い日の花火ではない」サントリー・オールドのコピーだ。

2019年2月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

今週わが職場で面白いことがあった。 男ばかりの現場にアルバイトの娘さんが闖入したのである。 野郎どもの声は1オクターブ高くうわずり、作業の動きもまるで高校生のようだ(笑) 私はそんな彼らを観察していた訳だ。 新しい女はカンフル剤なのだ。 映画では、女っ気のない父子三代が登場。本心を表に出せない野武士のような家長の下で、間に挟まれた二代目のあがきが真に迫ってくる。 強い父親の老化~死と、孫である弱い我が子と、その断絶の狭間で、自分が何者なのかと問う二代目の苦しみは、恐らくこの年代の男たちにとっては身につまされる事態だろう。 ファンファン。吹石一恵や風吹ジュンにどこか似て、目が離せない。 「浮気」は、 なんのためにあって、何故そんな行動に人は出るのだろうと訝っていた私だが、人が中弛みの人生で息を吹き返すための浮いた心というものは男女共に有ってもよいものなのかもしれない。 しっぽりと、破滅ぎりぎりのところで今宵だけの喜びにひたる。 -ラストの二人の長いダンスシーンが良かったなぁ。 (そういえば、日本にはペアを組んで抱きあって踊るダンスはないような・・・。 盆踊り、阿波踊り、よさこいソーランなどなど、群衆踊りから少人数のお座敷や歌舞伎、能まで男女は離れて舞うもんだな。 男女七歳にして席を同じうせず、か)。 もうひとつ最後に興味深いエピソードを。 ある老化ホームで、「お年寄りたち元気ないねー」と職員会議。で、出た突飛な提案は「混浴にしてみたら?」。 結果は、言わずもがな。大成功だったそうである。 "カンフル"、 そう。痛感する。今の私にこそ必要。 ご同輩、如何なされるか? ・・・・・・・・・・ タンゴ + パルファム ⇒アル・パチーノの「インセント・オブ・ウーマン 夢の香り」と双璧。 思わぬ掘り出し物の映画でした。

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きりん

4.050過ぎても恋はできる

2018年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

幸せ

萌える

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kossy

4.0地味だけど佳作

2013年3月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

幸せ

総合:75点 ストーリー: 75 キャスト: 75 演出: 75 ビジュアル: 70 音楽: 65  仕事にも家庭にも閉塞感を感じる孤独な初老の男が、ダンス教室で出会った女性に心をほのかにときめかす老いらくの恋。人間いつもと違う何かを始めれば、人生にさらに何かが始まることもあるなと気づかされる。それがいいこととばかりではなくても、何もないままただ時間を過ごすよりずっと良い。男の寂しい心を描いた雰囲気が荒涼として地味なのだが、じんわりと心に染み入る佳作。

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Cape God

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