劇場公開日 2005年12月10日

「 「明日こそは役所で認知の手続き取ってね」という言葉も忘れてしまっ...」ある子供 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 「明日こそは役所で認知の手続き取ってね」という言葉も忘れてしまっ...

2018年10月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「明日こそは役所で認知の手続き取ってね」という言葉も忘れてしまったのか、悪仲間を通して子供を売ってしまったブリュノ。やばくなったら「盗まれた」と言い訳をして、事後処理に奔走する。

 ヨーロッパの失業率は悪い。特に舞台となったベルギーでは12~13%の失業率なんだそうだ。失業率が10%を超えると、いつ革命が起こってもおかしくない状況なのですが、それをどろぼうという手段で生活しようとする奴も多いのであろう。生きるためには何をやってもいいといった思想が根付かないようにしたいものですが、この映画では問題提起だけで終わっているかのようだ。

 主人公ブリュノは大人になりきれない男。自分の子供ができたって、品物と同列に見てしまう。恋人ソニアはぎりぎりのところで彼を叱咤するが、叱られてからようやくコトの重大さに気づく男。母親からは独立しているかのようでしたけど、実際には利用しまくり。そして、13歳の子供を子分として使い、ひったくりを繰り返すが、最後には警察に追われるハメになってしまう。逃げるため川に飛びこみ、凍えそうな経験もするが、その子分が捕まってしまい、最終的には自首する・・・

 この自首によって一筋の希望が見出せるものの、そんな簡単に性格は変わるものではないだろう。改心して出所しても失業生活はずっと続くだろうし、世の中を変えるしかないのです。手ぶれカメラによってドグマ映画のような効果とドキュメンタリーのような効果。クロースアップや無駄な部分をカットして、芸術性を高めていますが、なぜかのめり込めなかった・・・やっぱり、ひったくりが許せないと感じたからかなぁ・・・

kossy