「やっと届いた手紙に受取人なしか」受取人不明 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
やっと届いた手紙に受取人なしか
クリックして本文を読む
キム・ギドクの初期の作品。
舞台は1970年代の米軍基地のとある村。
始終、重苦しい空気が流れ、貧困村の救いようのないシーンに飲み込まれていき、「多少でも何か希望があるのでは?」と進みながらも、最後まで希みなく終焉。
ある紹介文に「キム・ギドクの最も自伝的な作品である」とありましたが、普通は絶対に他人に語りたがらないだろう闇の部分を臨場感たっぷりに「とことん表現してやろう!」と思いながら作ったのではないかと。
途中、犬がさばかれるシーン(直接的には映してはいない)などは、ちょっと辛いですが、「動物の安全を確保して撮影している」というテロップを思いだし「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と言い聞かせながら観ました。
話はそれますが、最近、ある民俗学系の書籍で「昭和30年〜40年頃、日本でも犬を殺し犬肉を販売していた<犬飼い>が宇都宮のある地域に実際に存在した・・・一頭300円〜500円だった」という事実を知り、大きな衝撃を受けたところです。😱 この映画の犬肉を売って商売していたのは紛れもなく事実だったんだろうなあと思いました。
それにしても、途中、三人が「片眼」で歩くシーンがありますが、あれはギドク独特の世界ですよね。(『絶対の愛』でも、そんなギドクワールドがあったような)
コメントする