歌うつぐみがおりました

劇場公開日:2023年2月17日

歌うつぐみがおりました

解説・あらすじ

「月曜日に乾杯!」などで知られる旧ソ連ジョージア出身の名匠オタール・イオセリアーニが1970年に手がけたコメディ。ジョージアの首都トビリシを舞台に、自己中心的でお調子者だがどこか憎めない青年のせわしない日常を描く。

オペラ劇場のオーケストラの一員であるティンパニー奏者ギアは遅刻の常習犯で、練習の時のみならず演奏会にも度々遅刻する。さらに本番中にも出番の合間に会場を抜け出して街へと繰り出し、終演間際に慌てて戻って来てどうにか最後の一打に間に合わせる始末。女性や友人、家族に対してもルーズな彼は、約束を交わしては忘れたり突然家に押しかけたりと自分勝手な行動を繰り返すが、その憎めない人柄は周囲の人々を魅了していく。

日本では2004年開催の特集上映「イオセリアーニに乾杯!」で初公開された。

1970年製作/82分/ソ連
原題または英題:Ikho chachvi Mgalobeli
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2023年2月17日

その他の公開日:2004年6月19日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

3.5 【”歯車。ティンパニ奏者って演奏会の最後だけ現れてドーンと打てば良いんだね!”今作は遅刻常習者で、女性好きなだらしないけれど憎めないいつも忙しい男を描く、ラストにヤラレルチョイ哀しいコメディ映画。】

2025年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

幸せ

癒される

■オペラ劇場のオーケストラで働く若きティンパニー奏者・ギアは遅刻常習者で、本番中に自分の出番が途切れると会場を抜け出し、終演間際に戻ってきて、ティンパニを”ドーン”と打って演奏会終了・・。
 ルーズな彼の処遇をめぐってオーケストラでは話しあいが行われ、ギアは所長室に呼び出される。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・このティンパニー奏者・”ギア”は、観ているとトニカク忙しい。女性を見れば声を掛け、又別の女性に声を掛けるのである。

・マエストロにも叱られるのだが、何処か憎めないんだよなあ。何故なら、どう見てもギアは”多動性障害”を持っているように見えるからである。

・で、そういう作品かと思っていたら、ラストに種明かしがあるのである。
 ずーーーーーっと、忙しそうに走り回っていたギアは、車と衝突して漸く止まるというか、救急車で運ばれるのである。
 そして、カメラは時計店で、時計を修理している手にフォーカスされる。そこには”ギア”(歯車)が映っているのである。
 成程なあ。

<今作は遅刻常習者で、女性好きなだらしないけれど憎めないいつも忙しい男を描きつつ、ラストにヤラレル、チョイ哀しいコメディ映画である。
 序でに憶測で書くがジョージア映画の、2025年公開の「ブラックバード、ブラックベリー、私は私」は、この作品に敬意を嶌しているのでは無きあなあ、と思った作品でもある。ジョージア映画って、良いな。>

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NOBU

4.0 ビターな終わり方

2023年6月23日
iPhoneアプリから投稿

ずっと観たかったイオセリアーニのこの作画。
イオセリアーニ映画祭で劇場で鑑賞。

初期の部類に入る作品なので荒削りさもありつつ、
イオセリアーニっぽさは満載。
白黒の映像も美しい。
生き急ぐような、主人公だけど
永遠に周りの人に迷惑かけるけど、誰にも嫌われない感じがまさにイオセリアーニ。
ビターな終わり方。

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madu

4.0 面白い

2023年5月12日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

冒頭、クレジットのグルジア文字が独特でカッコいい。撮影技術の問題なのか、1970年の映画にしては絵柄がいちいち古めかしい。寓話っぽい話なのだが、最初の30分ぐらい、主人公のとっ散らかった行動が精神崩壊を起こした人のように思えて、非常にしんどい。彼が若者なのか、そこそこおっさんなのかも、その微妙な風貌からよくわからなかった。だが周囲の人々の反応などを眺めていくうちに、彼が特殊なサイコパスなんかではないと、段々腑に落ちてくるのが面白い。画面に映らない時も、常にどこかで鳴っている音楽と、やかましい騒音が耳に残る。驚いたのがグルジアに公衆浴場文化があったこと。しかもサウナ的な感じではなく、日本みたいに浴槽まであるとは!

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どんぐり

3.5 教科書に載せたい類の映画。ってだけ。

2023年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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bloodtrail

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