劇場公開日 2005年10月29日

「シュワ、スタ、そしてついにディーゼルまで・・・肉体派アクションスターがコメディを演ずるなんて駄作に違いない!と、甘く考えていた・・・」キャプテン・ウルフ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0シュワ、スタ、そしてついにディーゼルまで・・・肉体派アクションスターがコメディを演ずるなんて駄作に違いない!と、甘く考えていた・・・

2019年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ベビーシッターものである。公式サイトにはふりがなまで振ってあるし、ポスターを見てもわかるように幼児向け映画の匂いがプンプン漂ってくるのです。しかも、赤ん坊のオムツの中や下水道の汚水まみれになったりして、別の臭いまでプンプンと漂ってくる気配を感じました。おかげで、前半で笑っていたのは子供とドタバタ好きの方だけだった・・・

 おまけに米海軍モノなのだ。ディズニー映画なので人を殺すシーンはないものの、ステルスで攻撃しただの、特殊任務についていることを自慢気に話す主人公シェーン・ウルフ。あまり好きではないなぁ~と感じたし、原題PACIFIERをなぜキャプテン・ウルフとしたことも疑問だった。原題の意味は「(赤ちゃん用)おしゃぶり」だから、そのままだと日本じゃ受けないのだろうけど、キャプテンという階級は大尉じゃないようだし、もちろん、レスリング部のキャプテンという意味でもないだろう。これは単に語呂が良かっただけなのかもしれないですね。

 そんなわけで、コチラでは吹替版しか公開されないということもあって、完全スルー態勢にあったのですが・・・

 【以下ネタバレ激注意】
 ネオナチまで登場させるのかよ!と試写会場から逃げ出したくなったのも束の間。完璧なまでの『サウンド・オブ・ミュージック』へのオマージュが登場したのだ♪長男セスが「もうすぐ17歳」を歌う、このシーンだけでもう泣けてきました。いい子だったんだぁ~と、金髪に染めた頭をなでなでしたくなってきたと感じた直後に、ディーゼルが劇の演出を買って出たり、長女の車教習や次女のガールスカウト訓練、おまけに次男のためにピーターパンダ・ダンスを踊る姿を見るにつれ、徐々に涙腺がゆるくなってしまいました。

 極めつけはママが帰ってくるシーンにてまたまた『サウンド・オブ・ミュージック』をダイレクトにリスペクトするところ。これはファン必見でしょう。確実に泣けます。ただ、『ゴースト ニューヨークの幻』のファンは泣けないどころか、苦笑するしかないのかもしれません・・・また、謎のアジア系隣人妻の眉毛が無くなったのは『ゴースト』のウーピー・ゴールドバーグのパロディなんでしょうね。ちょっとだけ残念なのは、ラストシーンで「シェーン、カムバック」とパロディを出すのかと思ったけど、出てこなかったところでしょうか(でも、みんな心の中で叫んでたハズ)。

 日本語吹替えはヴィン・ディーゼルがガレッジセールのゴリ。相棒の川田も意外な役の吹替えに参加してます。吹替えスタッフを見て、また大笑いできるかも・・・

kossy