「私にとって価値ある作品〜戦記好きは必見だが、万人向けではない。」ヒトラー 最期の12日間 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
私にとって価値ある作品〜戦記好きは必見だが、万人向けではない。
2004(日本は2005)年公開、ドイツ・イタリア・オーストリア映画。
【監督】:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
【脚本】:ベルント・アイヒンガー
【原作】:
①ヨアヒム・フェスト〜『ヒトラー 最期の12日間』、②トラウドゥル・ユンゲ、メリッサ・ミュラー〜『私はヒトラーの秘書だった』
主な配役
【ヒトラー】:ブルーノ・ガンツ
【トラウドゥル・ユンゲ】:アレクサンドラ・マリア・ララ
【エヴァ・ブラウン】:ユリアーネ・ケーラー
1.ヒトラーの最期を描く伝記映画として一級品
様々な映画やドラマに「ヒトラー役」が現れる。
喜劇王チャプリンの『独裁者』は代表的なひとつだろう。
だが、本作でヒトラーを演じたブルーノ・ガンツはまさに憑依の域に達している。
もちろん、私はナマのヒトラーを見たわけではないが、記録映画やニュースに残されたヒトラー像に完全に符合する。
2.私にとって価値ある作品
◆ヒトラー
◆その愛人エヴァ・ブラウン
そして、ヒトラーを取り巻く重鎮たち、つまり、
◆ゲーリング元帥
◆カイテル元帥
◆ヨードル大将
◆ゲッペルス宣伝相とその家族
◆シュペーア軍需相
◆ヒムラーSS指導者
◆エヴァの義弟でもあるへーゲラインSS中将
などなど、
大物たちが、ナチスドイツ臨終の間際にどのような行動をとっていたのかを活写している。
ヒトラーとエヴァ・ブラウンのやりとり(会話)についても、かなり具体的に描写していて興味深い。
もちろん、
映画ゆえの割愛やデフォルメ、一面的な描写もあるだろう。
だが、ナチスドイツ、アドルフ・ヒトラーの落日を描いた映画で、本作を超える作品に出会ったことはない。
(知らないだけかもしれないが笑)
3.まとめ
本作が公開されて20年がたつ。
まったく色褪せない。
陰気な地下室にこもり、
怒鳴り散らしたり、
気弱になったりした独裁者の最期。
実話だということが、まだ信じられないような気さえする。
戦記好きは必見だが、万人向けではない。
☆4.5